岡山県議会は17日開いた本会議で、岡山市政令指定都市移行を推進する意見書を賛成多数で可決した。首相、総務相、衆参両院議長に送付する。来年4月の実現を目指している岡山市政令市問題は、市議会、県議会での手続きを終え、国との本格協議に入る。
 意見書案は総務委員会と行財政改革道州制等特別委員会が共同で発議した。自民、民主・県民クラブ、公明の3会派と無所属議員2人が賛成。共産の3人は「岡山市の体制など現時点では移行に無理がある」などとして反対した。意見書は、岡山市について「大都市にふさわしい都市基盤の整備と地域の特性を生かした都市づくりを目指している」と指摘。政令市になることに関しては「自治機能を強化してさらなる発展を遂げることは、岡山県はもとより近隣県の発展にも大きく寄与する」としている。意見書可決を受け、知事、市長、県・市両議会議長が新年度の早い時期に総務省を訪れ、政令市実現を正式に要望する予定だ。国との協議が順調に進んだ場合、岡山市は今秋の閣議決定政令公布を想定している。

同記事では,岡山市政令指定都市移行に関する意見書が、岡山県議会で採択されたことを紹介.岡山内での調整はこれにて確定。政令指定都市移行が見えてきたよう。後は、国との調整。
既に周知されているが、政令指定都市への移行手続きには確たるものがない。現在では、既存の政令指定都市が移行の際に採用された手続きを、経路依存しほぼ収斂されつつはある。このことは、反面、各自治体毎に自由裁量があるとも考えられる。つまり、県と市との政治状況が大きく異なる場合には、知事や議会との関係を極力回避する手続きもこれもまた有り得るということである。実際に、旧五大市以降、初めて政令指定都市に移行した北九州市では、五市合併問題こそが中心課題であったためか、政令指定都市移行に関しては、当時の自治省に依拠する「面を大きくもした」*1との指摘もある。このような未確定な移行手続きは、状況状況に応じた柔軟な対応がとれるという利点があるものの、今後もこれでよいかは疑問が残る。特に、地方分権改革推進委員会の『中間的な取りまとめ』でも述べているが、今後、仮に、都道府県から市町村への事務権限移譲を進む(又は、「進めようとする」)場合、広がりつつある政令市都市の現状を見れば、限りなく自動移行に近い方に政令指定都市の移行手続きを改め、法定移譲路線を促進化することも一つの改革提案とも思う(もちろん、都道府県からの同意が得られる可能性は低そうだが)。
なお、岡山県には、道州制等に関する特別委員会が設けられていることにを同記事にて初めて知り、驚く。流石、長期計画である「新おかやま夢づくりプラン」に、2020年後の姿として、中四国州を目指すこと(68〜74頁)を明記しているだけはある。

*1:徳本正彦『北九州市成立過程の研究』(九州大学出版会、1991年)609頁

北九州市成立過程の研究―合併論・合併運動を中心として

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