脱温暖化に向けた取り組みとして横浜市は、ハイブリッド自動車をタクシーとして購入する際の費用の一部補助を行う方針を明らかにした。全国初の試みで、二十二万円を上限額に五十台を補助する。二〇〇九年度当初予算案に千百万円を計上した。
 市環境創造局によると、県内を走るタクシーの平均年間走行距離は約八万キロ。一般車両に比べ長いという。市はタクシーのハイブリッド車導入を支援することで、二酸化炭素(CO2)の排出量を減らすのが目的。市内には約七千台のタクシーが走っており、多くはLPG車を使用している。CO2排出量はLPG車が少ないものの、ハイブリッド車は燃費が約三倍良い。そのため、ハイブリッド車導入により、LPG車と比べ一台あたり年間約十三トンのCO2の削減につながるという。
 補助は、法人・個人を問わず市内に主要な事業所または営業所があるタクシーが対象。通常の車両とハイブリッド車の購入時の差額の約半分を上限額とした。脱温暖化に向けた取り組みとして市は、二五年度までに一人あたりの温室効果ガス排出量を30%以上削減(〇四年度比)することなどを盛り込んだ「CO―DO30」を策定。市は電気自動車(EV)購入やEV充電設備設置の補助などにも予算を計上している。

同記事では,横浜市において,市内に事業所又は営業所があるタクシーにおいて,ハイブリッド自動車を購入する際に,その費用の一部を補助する方針を,来年度予算案に計上したことを紹介.詳細については,同市HPを参照*1
同記事にある22万円補助の趣旨はどのようなものであるのかと思い,同HPを拝見すると「ハイブリッド自動車を購入する場合」の「通常車両との差額のおおむね半額を補助」に該当するとの見通しとのこと.これもまた,手法としてはやや伝統的ではあるものの,いわゆる“nudge”*2を通じた,選択構造の制度設計の事例の一つか.ただ,同仕組みを通じて,製造者側にも,新たな販売機会を市側が提供することになり得るため,より明確に実用燃費次第では補助率(額)を大きく変更するなど,実用燃費が良い自動車を購入するような誘因構造を設けるとすれば,製造者側にも,同種車種の設計製造への誘因提供ともなりえそう.考えてみると興味深い仕組み.
最近では,同市では日産本社の移転等もあり,同社との間で「次世代交通システムの構築」*3が開始されるなど,同社との連携が図られつつはあるものの,同社の現状(特に「環境対応車」への対応)からすれば*4からすれば,同仕組みが必ずしも同社を優先するものではないことは,選択構造を提供する仕組みであるが故の特性か.