任期満了に伴う青森県大鰐町長選は27日、投票が行われ、即日開票の結果、無所属新人の元町議山田年伸氏(58)と、3選を目指した無所属現職の二川原和男氏(68)の得票が、ともに3524票で同数になった。町選管は公選法の規定に基づいてくじ引きを行い、山田氏の初当選が決まった。投票率は71.57%。
 首長選でのくじ引きは極めて異例。市町村議選では、2003年4月の山形県白鷹町議選の例などがある。
 当選した山田氏は「同数と聞いた時はびっくりした。抽選での落選も覚悟したが、当選したからには天命と思い公約を実行していきたい」と話した。一方、二川原氏は「抽選になったのは自分の訴えが浸透し切れなかったから。ただ町政が大きく変わる可能性があるのに、くじ引きで決めていいのか」と語った。
青森県大鰐町長選開票結果(選管最終)>
当 3524 山田年伸  無新
  3524 二川原和男 無現

本記事では,大鰐町長の選挙結果を紹介.同町長選の結果に関して,同町HP*1を確認させて頂くものの,現在までのところ,公表はされていない模様.残念.公表後,要確認.
「人の頭をかち割る代わりに」「その頭数を数えることによって,ものごとを決する仕掛け」*2とも,人口に膾炙される,選挙制度.一方で,「得票数が同じ」結果に至った場合,「沿革的」には「旧衆議院議員選挙法,旧都道府県制,旧市制町村制では,得票同数の場合は年長者をとり,年齢もまた同じである場合はくじによる」*3手続が採用されたことはあるものの,現在では,その「きまぐれ」ゆえの「恣意的裁量の余地はなく」「優先順位やウエイトづけという基準や準則は存在しない」*4とも解されてか,「頭をかち割る」でもなく,皺の「数を数える」ことでもなく,本記事でも紹介されているように,公職選挙法第95条第2項に基づき「選挙会において,選挙長がくじで定める」こととされている.
2010年6月28日付の東奥新報を拝読すると,「投票者数7,115」のうち,「有効投票7,048」 であり「無効67」*5とあり,「票の確認作業をお願い」の「異議申し出」*6を予定されている模様.再作業を通じて,「無効67」を巡り,これら「無効」となる「疑問のある判定に対して正しい結論を出すため」にも「ビデオ判定」*7等も行われることとなるのだろうか,要経過観察.

*1:大鰐町HP(お知らせ)「選挙管理委員会

*2:田辺国昭「選挙における得票と議席広田照幸・川西琢也編『こんなに役立つ数学入門』(ちくま書房,2007年)62頁

*3:安田充・荒川敦編著『逐条解説公職選挙法上』(ぎょうせい,2009年)811頁

逐条解説 公職選挙法

逐条解説 公職選挙法

*4:武智秀之『福祉行政学』(中央大学出版会,2001年)185頁

福祉行政学

福祉行政学

*5:東奥新報(2010年6月28日付)「大鰐町長に抽選で山田氏初当選 2氏の得票同数

*6:東奥新報(2010年6月28日付)「二川原陣営、異議申し出へ

*7:時事通信(2010年6月29日付)「ビデオ判定導入は断固拒否=W杯の相次ぐ誤審でも―FIFA