杵築市は29日に、各課の主な本年度事業や取り組みを示したマニフェスト(公約)を公表する。「杵築市マニフェスト〜杵築力アップ宣言88!〜」と銘打ち、計88項目を掲げた。市役所、山香、大田の各庁舎、12の中央・地区公民館に公約をまとめた冊子を配置するほか、市のホームページでも閲覧できる。
 八坂恭介市長がことし1月、各課ごとにマニフェストをまとめるよう指示。本年度新設された市長政策室(真鍋公博室長)が取りまとめて、各課と協議しながら当初100以上あった項目数を88まで絞り込んだ。
 マニフェストは各課ごとに分類。企画財政課の定住促進・小規模集落対策事業「空き家調査の実施(台帳整備)」、大田振興課の「横岳自然公園の整備、改修」など事業の詳細を説明している。建設課の「市営住宅の改修、建て替え」は2014年度以降の事業だが、マニフェストには本年度の取り組みとして、老朽化した建物の取り壊しを挙げている。ほかにも中・長期的な事業は複数あり、目標年度を定めた上で本年度に取り組む部分を紹介している。
 今後、年度ごとの達成状況もまとめて毎年公表していく方針。八坂市長は「明確な目標を立て、職員間で共有することで取り組みを着実に実行する意識を高めてほしい」と期待を寄せる。真鍋室長は「市が何をしているのか、これから何をしようとしているのかを分かりやすくまとめた。行政の仕事を身近に感じてもらいたい。意見も寄せてほしい」と話した。

本記事では,杵築市における課レベルでの「マニフェスト」公表の取組を紹介.同「マニフェスト」に関しては,同市HPを参照*1
同市では,課が首長の下の直近下位組織となる課制*2を採用.その「市役所の各部門の運営責任者(課長等)」が,各課における「平成22年度の主な取り組み」に関してに明らかにしたもの」と定義されており,同「マニフェスト」を通じて,対住民には,「重点施策等の内容」について「市民の皆様により分かりやすく,見える形で理解を深め」「行政と市民の皆様の距離を大幅に縮め」ること,そして,対職員には「課長等」が「課内の職員と組織目標を共有し、組織の力を最大限に引き出し」「業務を効果的かつ効率的に遂行して政策推進のスピードアップと住民サービスの向上に努め」*3ることがを目的とされる.そのため,同「マニフェスト」には記載されている88項目の内53項目においては様々な「数値目標等」が定められており,同「マニフェストの公表」もまた,「市長政策室」における「マニフェスト」の1項目*4とさされており,早くも達成.
組織の構成員の「フリーライダー」行動への観察結果から,「自分が仕事をするうえで,向上しようとする動機や達成意欲がな」く,「現状維持をしていればそれでよい,という考え方」を有すると形態として「アガリ型」*5が析出される場合,同形態が「いない組織づくりに大切なこと」として「健全な成果プレッシャーマネジメント」*6が肝要ともされる.本市と同様に,広く採用されていることも観察できる,直近下位部門長による同「マニフェスト」の提示の取組を通じて,「内在的な動機付け」「外在的な動機付け」*7のいずれの「成果プレッシャー」として有効な効果に至ることとなるか,要確認.

*1:杵築市HP「杵築市マニフェストを公表します!

*2:杵築市HP(杵築市例規集)「杵築市行政組織条例」(平成20年12月19日条例第43号,改正平成21年12月21日条例第34号」第1条

*3:杵築市HP(杵築市マニフェストを公表します!)「平成22年度杵築市マニフェスト〜杵築力アップ宣言88!〜」(市長政策室)1頁

*4:前掲注3・杵築市(平成22年度杵築市マニフェスト〜杵築力アップ宣言88!)4頁

*5:河合太介・渡部幹『フリーライダー』(講談社,2010年)53頁

フリーライダー あなたの隣のただのり社員 (講談社現代新書)

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*6:前掲注5・河合太介・渡部幹2010年:137-138頁

*7:大住莊四郎『行政マネジメント』(ミネルヴァ書房,2010年)36頁

行政マネジメント (BASIC公共政策学)

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