東日本大震災を受けた県内から被災地への支援の動きは19日も続いた。ガソリン不足の被災地の「足」にしてほしいと自転車を送ったり、医療用の血液に役立ててもらおうと多くの人が献血に訪れたり…。「少しでも被災地の力に」という思いが活動をつないでいる。
 大分市新日鉄大分製鉄所は18、19日、燃料不足で交通手段の確保に困っている被災地の岩手県に自転車55台を送った。市が自転車、大分製鉄所が輸送手段を用意した。自転車は主に保管期限の過ぎた放置自転車を再利用し、2008年の大分国体でレンタサイクルとして使われた。市が予備用に保管していた。
 大分製鉄所は、給油に使うタンクローリーをトラックに同行させることで輸送手段を確保。新日鉄釜石製鉄所(岩手県釜石市)から「燃料不足や道路の損壊で車が使えない。自転車が移動に有効」と聞き、大分市に打診したところ、市が提供を快諾。代わりに輸送の協力を依頼された。空気入れや外付けの鍵なども一緒に送った。市と大分製鉄所は「復興支援に役立てもらえれば」としている。

本記事では,大分市における被災地への支援の取組を紹介.同取組に関しては,同市HPを参照*1.「被災地からの要望」をもとに「アルファ化米(20,000食)」「粉ミルク(40缶)」「大人用オムツ」「乳児用オムツ」*2とともに送付.
同市における「大分市自転車等の放置の防止等に関する条例」第12条第3項では「当該自転車等につき,買受人がないとき,又は売却することができないと認められるときは,市長は,当該自転車等につき廃棄等の処分をすることができる」*3とも規定.しばしば,「実務上はせっかく使える自転車を雨ざらしにして」,事実上「廃棄物にして処分」*4されることになる放置自転車.
2011年3月19日付の日本経済新聞では,盛岡市においても,同市が「保管していた放置自転車132台」*5を提供されたことを報道された,放置自転車の支援物資としての活用の取組.また,浜松市では,放置される以前の,「市民の皆様が使用したもの」で「修理の必要がなく被災者の皆様が安全に使用できる」自転車の「回収」*6も行われている.大分市では,それらの「保管期限の過ぎた放置自転車」のうち,既に「レンタサイクル」として同市で「再利用」され,現在は「予備用に保管」されている自転車を救援物資として提供された模様.なるほど.

*1:大分市HP(大分市の広報報道発表資料)「東北地方太平洋沖地震に伴う盛岡市への救援物資運搬についてお知らせします

*2:前掲注1・大分市東北地方太平洋沖地震に伴う盛岡市への救援物資運搬についてお知らせします)

*3:大分市HP(大分市例規集)「大分市自転車等の放置の防止等に関する条例」(平成18年9月28日,条例第35号)

*4:阿部泰隆『政策法学講座』(第一法規出版,2003年)33頁

政策法学講座

政策法学講座

*5:日本経済新聞(2011年3月19日付)「盛岡市、放置自転車を被災地に無償提供

*6:浜松市HP(東北関東大震災害義援金等)「被災地へ提供する自転車を回収します