鎌倉市は、行政が行う事業の効率化や職員の意識啓発を目的に、昨年に続いて今年も事業仕分けを実施する。仕分け人は公募の市民が務めるが、希望者は募集定員の半数程度と予想外の“不人気”。震災の影響に加え、国の事業仕分けの効果が疑問視され、熱が冷めたことも背景にありそうだ。
 昨年は、NPO構想日本」に委託し、専門家と市民が仕分け人を務めたが、「地元を知る市民中心に」という声を受け、今年は討議と評価の全てを公募の市民が行う。仕分け人は、市職員との質疑を担当する討議人と、判定を行う評価人に分けて募集。討議人(募集定員十八人)は充足したものの、評価人(同九十人)への応募は四十九人で、定員割れとなった。昨年は、十二人の定員に百人の応募が殺到したため、今年は枠を広げたが、拍子抜けの結果となった。仕分け対象の事業は、小中学校運営、公衆トイレ清掃、消防団運営など市民生活に密着した十件。市役所を会場に、三十日午前十時から午後四時半まで、公開で実施する。(斎藤裕仁)

本記事では,鎌倉市における外部評価制度(鎌倉市民事業評価)への市民評価委員公募の状況を紹介.同制度に関しては,同市HPを参照*1
同市が従来実施されてきた「事業仕分け」からの変更点に関しては,2011年5月10日付の同市の市長記者会見から窺うことができる.同会見を拝読させて頂くと,「平成22年度に実施」した「事業仕分けを,今年度も引き続き行うもの」ではあるものの,「市民」の「積極的な参画を得」つつ「より多くのご意見を伺う」ことを目的として,「名称も「鎌倉市民事業評価」」に変更し,「議論の内容を傍聴した後に,事業内容を判定する「市民評価人」を取り入れ」*2たことが本年度の変更点.実際の進め方は,「当日は3会場(3グループ)に分かれ」,「相談事業」「青少年会館管理運営事業」「小学校運営事業・中学校運営事業」「社会福祉協議会支援事業」「公衆トイレ清掃事業」「消防団運営事業」「水洗化普及促進事業」「維持管理費(七里ガ浜浄化センター・山崎浄化センター)」「海水浴場運営事業」の9事業を「1グループ当たり3事業を評価」.1事業当り90分間で「市民討議人と事業担当課の市職員が質疑応答を繰り返し」その後「市民評価人が評価(判定)」*3される予定.
本記事を拝読させて頂くと,「討議人(募集定員十八人)は充足した」ものの,方や,「市民評価人」に関しては,「6月15日」から「6月30日」間で「再募集」*4を実施されつつも,「評価人(同九十人)への応募は四十九人で,定員割れ」であった模様.
「不休で続けていることは,必要経費としては,決して高くはないもの」*5,「「疲れ」「慣れ」「飽き」」が訪れ,「腐朽」*6に直面することも指摘されることもある,普及された行政評価制度.「評価における住民参加では,乏しい情報からの素人の直感で判断するという割り切りを受容する意志が必要」*7とはいえ,参加が限られているとなると,その直感に期待することもできない.市民の間でもまた「「疲れ」「慣れ」「飽き」」があるのだろうか.他自治体でも本年度も実施されている外部評価の取組への参加状況の把握とともに,その要因は考えてみたい課題.