滋賀県は2012年度に、太陽光や水力など多様な再生可能エネルギーの導入を支援する戦略プランを策定する。福島第1原発事故を受け、停止するリスクが小さい分散型エネルギーの比率を高めるとともに、琵琶湖の藻を使うバイオマス(生物資源)などの研究開発も進め、関連産業の振興につなげる。
 国が担当するエネルギー政策に県が本格的に取り組むのは初めて。県内では住宅向けや市民協働型の太陽光発電が広がりつつあるほか、小規模水力発電や地中熱を利用する動きもあるが、発電量はわずかで、県内で消費する電力はほぼ全量を関西電力に頼っている。原発事故で全国的に原発のフル稼働が困難なため、エネルギーを地産地消する基盤づくりの一歩を踏み出す。
 来年7月に始まる電気事業者による再生エネルギーの固定価格買い取り制度や国のエネルギー政策見直しの動きをにらみながら、県の地理的、気候的条件に適した再生エネルギーの可能性を探る。導入比率などについて数値目標の設定も視野に入れ、税負担の軽減や各種手続きなどの規制緩和、情報提供など具体的な支援策の内容を検討する。とくに太陽光は、住宅用の普及を引き続き後押しするほか、メガソーラー(大規模太陽光発電所)の誘致も目指す。琵琶湖周辺の河川を活用した水力や豊富な地中熱の活用も見込む。再生エネルギーの導入を産業振興にも役立てる。県内には太陽電池燃料電池リチウムイオン電池などの工場が集積しているため、新エネルギー分野の企業誘致や地元企業による部材供給の拡大などに結びつける。
 研究開発は、県などが本年度に国から採択を受けた地域イノベーション戦略支援プログラムの一環。県立大では藻由来のバイオディーゼル燃料でエンジンを回して電気をつくり、廃熱を給湯などに、二酸化炭素を藻の培養にそれぞれ再利用する実験を15年度にかけて計画している。県地域エネルギー振興室は「再生エネルギーの普及に取り組みやすい環境を整備し、産業振興や雇用促進にもつなげたい」としている。

本記事では,滋賀県における再生可能エネルギー導入に関する戦略計画の策定方針を紹介.
2011年12月30日付の朝日新聞にて報道*1された,千葉大学NPO法人環境エネルギー政策研究所が行われた「市区町村別の再生可能エネルギーの供給実態」に関する調査結果を拝読させて頂くと,都道府県レベルでは,供給量が,1949TJで47都道府県中44都道府県目,自給率は,2.4%と34都道府県目*2となる同県.
方や同県では,2011年12月21日に「再生可能エネルギーの普及について関心のある県市町の担当者が集まり」「情報交換・意見交換を行う」,「再生可能エネルギーにかかる県市町研究会」を設置.同研究会を通じて,「大規模太陽光発電事業(メガソーラー事業)の提案事業者」,「再生可能エネルギー導入にかかる制度,事業等」の情報交換や,「地域における再生可能エネルギー導入に関する取り組み事例の紹介や課題の共有」*3等を開始されている.本記事で紹介された同計画の策定方針に関しては,現在のところ,同県HP内では確認できず,残念.本記事を拝読させて頂くと,「新エネルギー分野の企業誘致や地元企業による部材供給の拡大」等の「新産業の育成」*4としても位置付けられる模様.同計画の策定過程も,要観察.