大津市は、職員の時間外勤務を減らすため「市職員仕事ダイエット運動」を始めた。
 2010年度から今年度までに、職員1人当たりの月平均時間外勤務を08年度比で20%削減することを目指していたが、11年度で目標の半分にも届かず、手当の支給総額も増えたため。終了時刻を自己申告させるなどして、目標達成を目指す。市職員課によると、08年度、管理職を除く職員1人当たりの月平均時間外勤務は17・8時間で、手当は総額12億7600万円。コスト削減のため10年度から始めた「市行政改革プラン」で、時間外勤務を今年度までに20%、3・6時間削減する目標を設定。手当2億5600万円の削減になると試算していた。
 しかし11年度、非管理職2130人の月平均が16・3時間(1・5時間減)で、市長部局では月平均113時間の職員もいた。手当単価の高い職員が多く残業したようで、支給総額も12億8500万円と増加した。このままでは目標達成は困難と判断し、ダイエット運動を始めた。職員が時間外勤務の終了時刻を上司に申告し、承認を受ける手続きを徹底。職員課が前月の実績を部局長に示し、多すぎる場合は改善を求める。会議の時間は原則1時間、長くて1時間半とし、できるだけ午前中に開催。定時内に成果をまとめるようにする。職員課は「手当の削減や庁舎の省エネにもつながる。『時間外は当然』という意識を改め、何とか目標達成したい」としている。 

本記事では,大津市による超過勤務管理の取組を紹介.
同取組本記事にも紹介されているように,「大津市行政改革プラン」に明記.同プランでは「労働基準法の改正」に伴い.2010年「4月1日から」「1ヶ月60時間を越える時間外労働」が「法定割増賃金率が25%から50%に引き上げられること」により「時間外手当の増加が見込まれる」を受け,「業務の計画的な執行」と「毎週水曜日の全庁的な定時退庁を確実に実施」すること,更に,「各所属の時間外勤務状況を分析・類型化」したうえで「それぞれの所属」の「時間外勤務削減方針を計画」し「実行に移すこと」を通じて,「確実な時間外勤務の縮減」を目指されている.2012年度末までには,「時間外勤務手当の縮減方針の策定」と,2008年度比で,「時間外勤務時間」は一人当たり「14.2時間/月」,「手当」の総額は「10億2,000万円/年」と,いずれも「20パーセント縮減」*1が目的と置かれている.
本記事を拝読させて頂くと,2011年度現在では,月平均が「16.3時間」,手当総額が「12億8500万円」となり,「目標達成が困難」であるとし,「市職員仕事ダイエット運動」との名称の取組を開始された模様.名称がユニーク.同運動の概要は,同市HPでは現在のところ把握できないものの,計画にとどまらず,「いつでも残業できる状態にある働き方が可能なワーク・ワーク」*2型の職場環境から「基本的な「働き方」を見直」*3を図る「動機づけ」*4を整備されるか,実施状況も要確認.

*1:大津市HP(市政情報行政・財政行政改革(新)大津市行政改革プラン)「(新)(前期)集中改革プラン」19頁

*2:武石恵美子・佐藤博樹「時間意識の向上のためのモデル事業と働き」佐藤博樹, 武石恵美子編著『ワーク・ライフ・バランスと働き方改革』(勁草書房,2011年)111頁

ワーク・ライフ・バランスと働き方改革

ワーク・ライフ・バランスと働き方改革

*3:武石恵美子「働き方改革を進めるために」(前掲注2・所収)206頁

*4:西尾隆『現代行政学』(放送大学教育振興会,2012年)115頁

現代行政学 (放送大学教材)

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