刑務所や少年院を出た後に行き場のない人を受け入れる民間の更生保護施設や自立準備ホームの開設をめぐり、埼玉県松伏町が周辺住民の3分の2以上の同意を条件とする条例の制定を検討していることが1日、町への取材で分かった。9月議会に条例案を提出する。
 法務省によると、同様の条例は全国で例がない。町は「住民の不安を取り除き、理解を得る必要があると判断した」と説明するが、再犯防止のために社会での更生を重視する流れに逆行するとの指摘もあり、議論を呼びそうだ。

本配信記事では,松伏町における更生保護施設等の設置手続に関する条例の制定方針を紹介.同条例案に関しては,現在のところ,同町HPでは確認できず.
本配信記事を拝読させて頂くと,各施設の設置に際して,いわゆる「住民同意条項」*1を規定される模様.2012年8月1日付の日本経済新聞では,本配信記事に加え,同条例制定に至る背景,条例の内容も紹介.同記事を拝読させて頂くと,「更生保護施設と自立準備ホーム」を開設する場合,同「施設から300メートル以内の住民を対象に説明会」を開催,その後,「書面で3分の2以上の同意を得る必要がある」とされている模様.同記事によると,同規定は,「都市計画法に関し国土交通省が示している「土地開発には地権者らの3分の2以上の同意が必要」との指針を参考」*2という.施設設置の「あり方を決める主導権を握っている」「マジョリティ」*3とは,誰かを考えさせられる.意思表明の結果は,条例制定後,要確認.

*1:礒崎初仁・金井利之・伊藤正次『改訂版 ホーンブック地方自治』(北樹出版,2011年)127頁

ホーンブック 地方自治

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*2:日本経済新聞(2012年8月1日付)「更生施設開設にハードル 埼玉で住民同意要件の条例案

*3:塩原良和『共に生きる』(弘文堂,2012年)41頁

共に生きる-多民族・多文化社会における対話 (現代社会学ライブラリー3)

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