森林や水源の乱開発などの防止に向け、全国で初めて土地売買の事前届け出を義務づける「道水資源の保全に関する条例」の運用が1日始まったが、道による土地所有者の把握が難航している。道は条例の対象となる土地53地域を「水資源保全地域」に指定、地権者約4千人に郵送で周知したが、実際に届いたのは6割程度で、残りは宛先不明だった。地権者の所在が判明しなかった場合、条例の根幹が揺らぐ可能性があるほか、放置された土地が荒廃して災害の誘因となる懸念もあり、道は対応に苦慮している。

本記事では,北海道における「北海道水資源の保全に関する条例」の施行状況を紹介.
2012年3月24日付の本備忘録でその成立を記録した同条例.2012年4月1日からの施行以降,2012年7月31日に開催された第4回北海道水資源保全審議会における配布資料「北海道水資源保全審議会における地域指定に係る審議結果」*1を拝読させて頂くと,18市町村から65地区の提案があり.その後,同審議会による審議を経て,同年10月1日現在までに「18市町村」「53地域」を「水資源保全地域」*2として指定.指定に至らなかった12地区は,同審議会での「継続審議」*3と位置づけられている.
一方で,本記事を拝読させて頂くと,水源保保全地域に指定された地域の「地権者約4千人に郵送で周知」されたものの「実際に届いたのは6割程度」であり「残りは宛先不明」であったという.水資源の保全のための権利移転に対する「未然防止的」*4 を可能とする同条例.地権者不明となると,その実施が困難になることも想定.今後の地権者把握過程も要経過確認.

*1:北海道HP(本庁各部・局総合政策部土地水対策課平成24年度第4回北海道水資源保全審議会 )「北海道水資源保全審議会における地域指定に係る審議結果について

*2:北海道HP(本庁各部・局総合政策部土地水対策課)「水資源保全地域一覧

*3:前掲注1・北海道(北海道水資源保全審議会における地域指定に係る審議結果について)

*4:北村喜宣『環境法』(弘文堂,2011年)332頁

環境法

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