葉山町議会は11日、山梨崇仁町長が再議を求めた町総合計画の修正後期基本計画を審議・採決し、再び賛成多数で可決した。町長は「原案が認められなかったことは残念だが、今回の議決を尊重し、粛々と行政運営を進めたい」と話した。
 町長は本会議の冒頭、ごみ処理の項目で町議会が原案に追記した「『近隣自治体との協議に着手する』の一項は、町の裁量権を損ないかねない」と再議の理由を説明した。討論では、修正後期計画に賛成の立場から、再議は「議会の権能を否定している」「町長のパフォーマンスだ」、反対の立場では「近隣自治体が明確になっておらず、記述するのであれば明記する必要がある」などの意見が出された。採決の結果、9人が賛成し、4人が反対した。
 町長は閉会後、「総合計画の策定は既に半年遅れており、予算編成ができなければ町政の停滞を招くため、現実を受け止めて実施計画の策定を進めたい」と話した。再議については「異議はあった。行政の思いは(議会側に)伝えた。本音の議論ができたと思う」と感想を述べた。

本記事では,葉山町における再議の結果を紹介.
2012年10月11日付の本備忘録でも記録した同町における後期基本計画案へ修正可決に対する再議の取組.再議の審議結果を紹介.「再び賛成多数で可決」との結論に至った模様.「全体として首長の権限が強い」*1とも解されてきた長と議会関係.議決事項の拡大次第では,両者の関係の優劣は制度的に予め定まることはない.その「熟議が深ま」*2り次第となるのだろうか.他の事例も要確認.

*1:川出良枝谷口将紀政治学』(東京大学出版会,2012年)158頁

政治学

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*2:植田昌也「地方自治法の一部を改正する法律について」『地方自治』No.779,2012年10月号,49頁

地方自治 2012年 10月号 [雑誌]

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