2050年を見据えた県都福井市の再設計を議論するため県と福井市が設置している県都デザイン懇話会の第3回会合が22日、福井市の県繊協ビルで開かれた。まちづくりの指針策定に向けた提案・提言の骨子案を提示。福井城址(じょうし)を歴史資源として生かすため、県庁と市役所を移転・再配置し、市中央公園などを一体化した「福井城址(じょうし)公園」の整備を求めることを確認した。
 提案・提言は来年1月をめどにまとめる。県と市は提言に基づく指針として「ふくい県都ビジョン」(仮称)を年度内に策定する。提言の骨子案では、県都再設計の柱として▽歴史を受け継ぎ、新たな文化を創造▽美しく持続可能な都市の実現▽自然を守り、緑や水と共生―の3点を挙げた。城址内と市庁舎跡、中央公園、県民会館跡地を含む一帯を福井城址公園として再編。遺構活用や城址内の復元、広場の配置を通じ、歴史と緑が感じられる憩いの空間を形成する。周辺には芸術活動やものづくり文化、食文化に触れられる機能を配置するとした。エリアの将来像としては、公共施設など建物の更新時期をとらえて街区を再編し、未利用地を使った緑地づくりを促す。足羽山と足羽川は、都市内の自然資源として眺望を守り、市民らの学びの場としても活用する。
 目標年次を50年とした上で、福井国体が開かれる18年までの短期目標、北陸新幹線敦賀開業の25年までの中期目標を今後設定。市民の意識醸成につなげるため、歴史資源の復元に向けた寄付募集も提案した。専門家を交えたデザインマネジメント体制を整え、県内外の英知を集めるよう求めている。会合では、城址公園整備に関し「当面はオープンスペースとして活用し、城址復元などを議論すべきだ」「現代の都市でありながら歴史も感じさせる仕掛けが必要」といった意見が出た。県民意見を反映するプロセスを通し、関心を高めるよう求める声もあった。県と市は11月26日に県都デザインフォーラムを開き、骨子案に対する市民の意見を聴く。懇話会は今後1、2回の会合を開き、提言内容をまとめる。専門家による福井城史料調査委員会を設け、復元に向けた史料収集や分析を始めることも報告された。懇話会は、都市計画が専門の西村幸夫東京大副学長を座長に、学識経験者や経済界の代表ら10人で構成している。

本記事では,福井市福井県における「県都デザイン懇話会」の開催状況を紹介.
「30年後,50年後という長期的な視点」から「県都の再設計(リ・デザイン)を構想」し,「2050年(中期目標年次2025年)」を目標年次とおく「ふくい県都ビジョン(仮称)」*1を策定する同懇談会.同懇談会の概要は,同県HPを参照*2
2012年7月6日に開催された第2回懇談会では,「県都デザイン戦略 論点整理」案が提出.同資料に提案された論点のひとつには,「城址と中央公園のリ・デザイン」案が示されている.そのなかでは,「歴史を象徴(遺構の活用,復元など)」し「緑が溢れ」「県民・市民が憩う空間の形成」のためにも,「県市庁舎の移転・再配置を想定」したうえで「城址と中央公園を一体的に再設計」*3する案も掲載.本記事で紹介されている第3回懇談会に関しては,現在のところ公表されていないものの,本記事を拝読させて頂くと「県庁と市役所を移転・再配置」し「市中央公園などを一体化した「福井城址(じょうし)公園」の整備を求めることを確認」された模様.
お堀を挟み,比較的近接して立つ両庁舎*4
「行政庁でもある城郭」*5から「公園」としての活用がされる場合,両庁舎の移転後の設置場所,そして,その庁舎のつくり方も検討されているのだろうか.興味深そう.要確認.