「ごみ屋敷」解消のため、ごみの撤去費用を区で負担することなどを盛り込んだ東京都足立区の条例が、24日の区議会本会議で全会一致で可決、成立した。家主が撤去費を支払う能力がない場合、区が最大100万円を負担する。撤去費用を自治体が負担する条例は全国でも珍しい。来年1月1日に施行する。
 足立区によると、区内には20軒以上のごみ屋敷があり、近隣住民が悪臭や火災の発生を懸念しているという。具体的な解決策は区が設置する「生活環境保全審議会」が個別に決めるが、区の指導や勧告に従わない場合は、ごみを強制撤去する。また、ごみを再びため込まないよう、必要に応じて家主に医療機関や介護サービスなどの紹介も行う。

本記事では,足立区における「足立区生活環境の保全に関する条例」案の成立を紹介.
2012年6月6日付の本備忘録にて記録した,いわゆる「ごみ屋敷」に対する対策としての同条例の制定方針.2012年10月23日に開催された同区本会議にて「原案」*1が「可決」*2.同条例第11条に規定された「区長は,所有者等が自ら不良な状態を解消することが困難であると認めるときは,支援を行うことができる」ことを本記事では紹介.
2012年3月31日までの同区への「ごみ屋敷等への苦情件数」は「25件」.同年4月より同区では「ごみ屋敷の対策に取り組」まれており,同年4月1日から8月31日までに「47件」の苦情があったという.併せて「72件」の苦情のうち22件は既に解決.残された「50件」の内訳は,「悪臭,害虫,ねずみの発生,放火の危険等」の「屋敷」に関する苦情が24件,「枝が屋根にあたる,落ち葉が積もる等」の「樹木」に関する苦情が17件,「資材の置き方が危険,空き地の雑草から虫が湧いている等」の「その他」が9件*3.同対策の開始を通じて,潜在的苦情の顕在化に至ったものと理解することが適切なのだろうか.要確認.
「ごみ屋敷」という「可視的なもの」への,「協力への報酬」と「選好の変化」を所有者に促す「不可視なもの」によるアプローチにより,もちろん「長い時間がかかる」*4ことが想定されなくもない.同条例の実施過程は,要観察.