16日投開票の衆院選で、広島県内の投票所は2009年の前回から75カ所減り1267カ所になる。神石高原町が3分の1に縮小するのをはじめ、過疎化の加速などで統廃合が進む。師走の寒さに、遠のく投票所。お年寄りからは不安の声が漏れる。送迎タクシーなどの交通手段を確保する市町もある。
 「福山市に住む息子が連れていってくれればいいが、雪が降ればそれも難しい。欠かさなかった1票を投じられるかどうか」。前回選で投票所だった神石高原町時安の社会教育施設の近くに住む三木比美江さん(85)がつぶやく。三木さんは今回、約6キロ先の投票所に行かなければならない。町は午前、午後に1便ずつ旧投票所発着の送迎タクシーを運行する。運行時間が合わない場合、投票をあきらめるお年寄りが出る懸念は募る。
 同町は11月の町議選に合わせ、原則として有権者が300人未満の投票所を廃止。30カ所から10カ所に減らした。04年の合併前、旧4町で250人を超えた職員は昨年度末に180人に減少した。有権者数などで決まる国の選挙費委託金。05年の衆院選は1836万円だったが、09年は1404万円に減り、今回も削減が予想される。「投票所を再編しなければ町の持ち出しが必要になる」と町選管。投票所廃止で人件費約300万円を節減できると見込む。09年の衆院選より投票所数が減るのは神石高原町のほか、呉市28▽世羅町12▽北広島町9▽安芸太田町5▽福山市2。広島市有権者が多い投票所を分離し、1カ所増える。
 県選管によると、平成の大合併以降、投票所の統廃合を進める市町が多い。県単位の選挙でみると09年の前回衆院選に1342あった投票所は、10年の参院選で1320カ所、11年の県議選で1291カ所と減少が続く。県選管は市区町選管に対し、巡回バスの運行などで交通弱者に配慮するよう求めている。

本記事では,神石高原町における投票所設置の状況を紹介.
前回衆議院選から「75カ所減」となり「1267カ所」が設置.同町が位置する広島県内の市町では,呉市が「28」ヶ所,世羅町が「12」ヶ所,北広島町が「9」ヶ所,安芸太田町が「5」ヶ所,福山市が「2」ヶ所となる.いわゆる,買物難民,ならぬ,投票難民も生じ,「民主主義の赤字」*1ともなる虞もなくない.
「選挙はミジカ」*2との,キャッチコピーを用いられている同県.「ミジカ」であるためにも,本記事を拝読させていただくと,「市区町選管に対し,巡回バスの運行などで交通弱者に配慮」を促されている模様.なるほど.他の自治体での投票所設置状況の変遷も要確認.

*1:小川有美「リベラル・デモクラシーの発展」苅部直,宇野重規,中本義彦編『政治学をつかむ』(有斐閣,2011年)61頁

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*2:広島県HP(分類でさがす県政情報・財政・統計議会・委員会選挙管理委員会)「選挙管理委員会