東日本大震災で沿岸被災地から県外や本県内陸部に避難している被災者のうち、30%以上が「避難先に定住したい」と考えていることが26日、県が初めて実施した避難者へのアンケートで明らかになった。被災地における人口流出の懸念があらためて浮き彫りになった。
 調査は10〜11月に実施。県外、本県内陸に避難する各300世帯を抽出し調査票を郵送。県外127世帯(回収率42・3%)、内陸167世帯(同55・7%)から回答を得た。今後住みたい場所について「避難先に定住したい」は県外33・9%、内陸33・5%。一方、「元の市町村に戻りたい」は県外37・0%、内陸29・9%にとどまった。「まだ決めていない」との回答も県外23・6%、内陸31・7%に上った。避難先での定住を希望する人の多くは、家族・親類との同居や仕事や通院を理由に挙げた。まだ決めていないとする理由は「震災前の市町村で住宅確保ができない」などの回答が多かった。

本記事では,岩手県における意識調査の結果を紹介.
同県では,復興に関する定期的な調査として2種類実施.ひとつは,「沿岸12市町村」の「被災地域に居住又は就労している方々」「150名程度」を対象に,「生活の回復に対する実感」「地域経済の回復に対する実感」「災害に強い安全なまちづくりに対する実感」について尋ねる調査.同調査は,同一人物に「毎年2月,5月,8月,11月」の年4回調査.「いわて復興ウォッチャー調査」*1.もうひとつは,「岩手県東日本大震災津波からの復興に関する意識調査」であり,こちらは「県内に居住する20歳以上の男女個人」 「5,000人」を抽出し,「毎年2月上旬から3月上旬」に実施.「平成23年度から平成31年度(復興計画の計画期間終了後の翌年度)までの毎年度実施を予定」*2されている.本記事にて報道されている調査は,「県外」「県内陸に避難する各300世帯を抽出し」「10〜11月に実施」とあり,これら二つの調査とは異なり,避難者に限定された調査の模様.
避難生活からの「抑制要因」*3として「住宅確保」が指摘.現在のところ,同県HPでは把握できず.他の二つの調査結果との対比も含めて,同調査結果の内容は,公表後,要確認.

*1:岩手県HP(いわて復興ネット〜復興関連情報ポータルサイト〜)いわて復興ウォッチャー調査について

*2:岩手県HP(いわて復興ネット〜復興関連情報ポータルサイト〜)「岩手県の東日本大震災津波からの復興に関する意識調査」について

*3:Aldrich,Daniel P. (2012)Building Resilience: Social Capital in Post-Disaster Recovery,University of Chicago Press,p.15.

Building Resilience: Social Capital in Post-Disaster Recovery

Building Resilience: Social Capital in Post-Disaster Recovery