岐阜県は新年度、ぎふ清流国体・ぎふ清流大会開催で得た県民の財産を県政に生かすため、司令塔的な役割を果たす新たな組織「清流の国づくり推進局」(仮称)を設置する。県議会が議員提案で議論している「清流の国スポーツ推進条例(案)」と同調し、おもてなしによる地域の絆づくりやスポーツによる健康、地域づくりを進める施策を検討、展開する方針だ。
 岐阜県は47年ぶりの国体に向けて、全42市町村をつないだ炬火(きょか)リレーや県民参加で式典を飾った「ギフとフラッグ」「清流こよみぶね」の制作活動など、県民が自主的に国体に関わる「ミナモ運動」を展開。地域に根差すクラブチームをつくり、複数の企業で選手を受け入れる「岐阜方式」も成果を挙げた。国体終了後はこれまでの取り組みを一過性にしないことを最大の課題とし、得た財産を最大限に生かす施策を検討している。一方、県議会は国体を通じて障害者スポーツを含む県民のスポーツへの関心の高まりや、地域の絆づくり、県民参加などの財産を得たとし、スポーツを通じた県づくりを進める条例案を制定中。
 県はこの条例案にうたう理念を具体化する施策を展開するため、新年度、新たな組織を総合企画部内に設置。商工労働部や環境生活部など県の各部局で担ってきた関連施策を調整、新たな施策も検討し、県政の基本方針「清流の国ぎふ」づくりの取り組みを加速させる考えだ。局長は次長級。職員15人ほどを想定している。一方、ダントツの成績で天皇杯皇后杯を獲得するまで高まった競技力の維持・向上は、再び県教育委員会のスポーツ健康課で担当。スポーツ王国のさらなる底上げを図る考えだ。

本記事では,岐阜県における組織再編方針を紹介.
本記事によると,2013年度からは「「清流の国づくり推進局」(仮称)」を「総合企画部内に設置」し,「商工労働部や環境生活部など県の各部局で担ってきた関連施策を調整」「新たな施策も検討」を進める模様.一方で,現在同県では,「環境生活部」内に「清流の国ぎふづくり推進課」*1が配置されてもいる.「ぎふ」の名称が除かれた「清流の国づくり推進局」(仮称)」では,同課の「部内局」へ改編と所属部の変更となるのだろうか.「アイディアや議論を長期間にわたって執拗に繰り返していると,また別の結果が見えてくる」*2との理解からすれば,所属部を代えることで長期的な成果があがることも期待されそう.実際の組織再編の結果は,要確認.

*1:岐阜県HP(組織別情報環境生活部)「清流の国ぎふづくり推進課

*2:ジェームス・G.マーチ, ヨハン・P.オルセン『やわらかな制度』(日刊工業新聞社,1994年)127頁

やわらかな制度―あいまい理論からの提言

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