奈良市は15日から、市民サービスの向上や収入増、職員の規律向上など市役所の活動全般を改善する方策を全職員から募集する。寄せられた提案は市長と副市長が審査し、採用の可否を決める。
 仲川げん市長が10日の定例記者会見で発表。仲川市長は「昨年は不祥事対策を(目標に)掲げた。それをふまえ、今年は新しい市役所像を作る。組織内から自浄作用が発揮されるようにしたい」と実施の理由を説明した。おおむね1年以内に実施できる内容が対象で、「新たな予算措置を講じる必要がないもの」が原則。募集期間は15日〜2月5日で、所定の用紙に記入し、担当課に持参するかメールで送信する。期間中、文面だけでなく、仲川市長が直接、職員と面会して意見を聴く場も設けるという。【釣田祐喜】

本記事では,奈良市における職員提案制度の取組を紹介.
同取組の名称は,「職場風土一新プロジェクト」*1.「再任用職員,臨時職員,非常勤嘱託職員及び国・県からの派遣者等を含」む「全ての市職員」が対象に,「市民サービスの向上に関すること」「業務の効率化に関すること」「経費の節減に関すること」「収入の増加に関すること」「人材の育成・組織の活性化に関すること」「職員の規律向上に関すること」そして「その他市民にとってよりよい市役所の実現に資すること」の「ずれかに該当」し「おおむね1 年以内に実施が可能と見込まれ」,そして,「原則として予算措置を新たに講じる必要がないもの」の提案を求める.提案では「単なる意見,要望又は批判等」ではない「提案の具体的内容」の「詳細」,「提案により期待される効果」,さらには「提案実施に係る関係課」*2を明記.これらの提案は「全て市長及び副市長が審査し,採用の可否を決定」し「採用した提案は全ておおむね1 年以内の実施を目標として実施計画を作成」「実施」となる.
ただ,今回の「職員からの提案の募集」「1 月15日〜2月5日」となり,「2 月中旬〜3 月中旬」に「市長及び副市長による審査」「3 月下旬」には「審査結果の公表及び採用した提案に係る実施計画の作成」*3とややタイトな日程となる.実施段階を想定すれば,庁内(外)でも「支持をできるだけ多く集めること」*4も必要とも考えられなくもない.実施計画の策定体制は,要確認.

*1:奈良市HP(市政広報・広聴記者会見・発表市長定例記者会見(平成25年))「職場風土一新プロジェクト〜市民にとってよりよい市役所を実現するための職員提案募集〜の実施について

*2:前掲注1・奈良(職場風土一新プロジェクト〜市民にとってよりよい市役所を実現するための職員提案募集〜の実施について)3頁

*3:前掲注1・奈良(職場風土一新プロジェクト〜市民にとってよりよい市役所を実現するための職員提案募集〜の実施について)2頁

*4:田尾雅夫『現代組織論』(勁草書房,2012年)272頁

現代組織論

現代組織論