総務省は29日、中央省庁から自治体へ出向している職員は、昨年8月15日時点で前年より10人多い1722人だったと発表した。公表を始めた1999年以降、最多を更新した。
 内訳は、都道府県が前年比15人減の1198人、市町村は25人増の524人。部長級以上は371人で、このうち23人が、新潟など22道府県で副知事に就任していた。省庁別では、国土交通省が498人で最も多く、次いで警察庁444人、総務省295人、農林水産省144人など。出向は自治体の要請を受けた形になっているが、事実上の指定席としてポストが固定化しているケースもある。

本記事では,自治体と国との間の人事交流状況を紹介.2012年8月15日現在での人事交流の詳細は,総務省「国と地方公共団体との間の人事交流状況」*1を参照.
「国から地方公共団体への出向者数」では,総数では「1,722人」と「対前年」では10人増.内訳では「都道府県への出向者数」と「市町村への出向者数」では都道府県への出向者数が「1,198人」と市町村への出向者数である「524人」より2倍近くは多いものの,「対前年」では都道府県への出向者数は15人減,市町村への出向者は対前年で25人増となる*2.一方で,「地方公共団体から国への受入者数」は「2,338人」と「対前年」では245人増と,国から地方公共団体への出向者数よりもその数は多い.内訳では,「都道府県からの受入者数」が「2,060人」と対前年では186人増,「市町村からの受入者数」は「278人」*3と対前年で59人増で,都道府県,市町村ともに国への出向者はいずれも増加している.
ちなみに,「府省別」での「国から地方公共団体」への「部長級以上の役職への出向」は「371人」*4.方や「地方公共団体から国」への「室長級以上の役職への出向」は,「消防庁消防大学校副校長」*5の一人となる.
本記事末文では,「事実上の指定席としてポストが固定化しているケースもある」と報道.2012年度版の同資料から明記を開始されたのかなあと思い,確認してはみるものの,やはり2012年度も「状況」となる.2011年1月22日付の本備忘録にて記録とともに,これまで公表された「国と地方公共団体との間の人事交流状況」との間との突合が必要.仮に,固定化という「制度化された慣行」が持続する場合,各部局毎での「「統合」の拠点」*6も組織運用もまた固定化されているのか,また,職によらず,要確認.

*1:総務省HP(広報・報道報道資料一覧2013年1月国と地方公共団体との間の人事交流状況)「国と地方公共団体との間の人事交流状況

*2:前掲注1・総務省([国と地方公共団体との間の人事交流状況)1頁

*3:前掲注1・総務省([国と地方公共団体との間の人事交流状況)2頁

*4:前掲注1・総務省([国と地方公共団体との間の人事交流状況)6頁

*5:前掲注1・総務省([国と地方公共団体との間の人事交流状況)6頁

*6:木寺元『地方分権改革の政治学-制度・アイディア・官僚制』(有斐閣,2012年)74頁

地方分権改革の政治学 --制度・アイディア・官僚制

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