西宮市内の菓子店が市民と一緒に考えて作った洋菓子や和菓子が22〜26日の期間限定で、西宮市役所地下食堂喫茶コーナーのメニューに加わる。食堂は、職員だけでなく市民も利用できる。菓子作りに関わった西宮菓子工業組合は「地域それぞれに特色ある菓子を味わってほしい」としている。
 菓子作りは、西宮菓子工業組合と西宮市、西宮コミュニティ協会が企画。広田地区や浜脇地区など10地域の菓子店が、菓子作り体験教室を開催し、参加した市民の意見を取り入れてオリジナル商品が誕生した。大社地区の「ニテコマドレーヌ」は、地区にあるニテコ池の貯水塔をイメージしたひとくちマドレーヌ。安井地区は、ゆかりのある谷崎潤一郎の小説「細雪」に登場する「一本松」を考案。こしあんを包んだ生地の表面を松の形に焼き上げた。菓子はそれぞれの店舗で販売しているが、市民から「別の店の菓子も食べてみたい」との声が上がり、多くの市民が利用する市役所地下食堂で販売することになった。期間中は6地域7種類の菓子を提供する。菓子と飲み物(コーヒーか紅茶)のセットで300円。初日は各30個用意し、売れ行きが好調なら販売数を増やす。同組合の木地孝昭組合長は「それぞれに工夫がみられる菓子が完成した。西宮のオリジナル菓子としてブランド化して販路を拡大したい」と話している。【米山淳】

本記事では,西宮市における市役所地下食堂の取組を紹介.同市内の「菓子店が市民と一緒に考えて作」る「地域のお菓子」の開発事業.同事業は,同市HPを参照*1
同事業では「地元のお菓子店2〜3店舗」と「地域コミュニティの家族約15 組〜30 組」が「概ね4回に分けて地域のことを学び,地域のお菓子を創」るもの.まず第1回目は「地域のテーマ探し」,第2回目は「お菓子づくり体験」,第3回目は「お菓子試作・意見交換」,そして第4回目に「お菓子完成披露」の順で運営.当初の予定では,「地域で創ったお菓子」は「お菓子店と地域コミュニティで話し合い,地元店舗や地域のお祭り等で販売する予定」とされている.本記事によると,同事業を通じた開発の成果を,同市役所の地下食堂で販売する,という.
「物財装置や文書装置と合し」たものとして理解されてきた「役所」*2は,交流装置も合しているものと理解できそうな同取組.2008年12月7日付の本備忘録で項目立てを試みて以来の本備忘録の断続的な観察課題のひとつ「庁舎管理の行政学」の観点からは「第3章:役所食堂の行政学」としても興味深い.
そこで,同市庁舎の地下食堂を確認しようと,同HP内の「庁舎案内」*3をみてみると,同市HP上では1〜8階までで表示が留まっている模様.実際に訪問すると地下食堂が分かるのだろうか.そのためだろうか,本記事では「食堂は,職員だけでなく市民も利用できる」とも強調されている.両取組も見てみたい.