東京電力福島第1原発事故で全町民が町外への避難を余儀なくされている福島県浪江町は1日、本県に暮らす避難町民約500人を支援するため、復興支援員2人を新潟市に配置した。浪江町生活支援課は「県外にばらばらに避難している町民に寄り添い、一人一人の不安を和らげたい」としている。
 復興支援員に採用されたのは、浪江町から新発田市に避難している佐藤亜希子さん(32)と、福島県いわき市から新潟市に避難している渡部亜紀さん(44)。新潟市東区の避難者交流拠点「ふりっぷはうす」を拠点に、避難者宅を訪問したり、交流会を開催したりする予定だ。避難者から相談や要望を聞き取り、町とつなぐ役割を担う。佐藤さんは「古里の人たちがみんな元気で暮らせるようにサポートしていきたい」と意気込みを語った。渡部さんは「浪江出身ではないけれども、一人一人が前向きになれるように頑張りたい」と話した。任期は本年度末まで。
 浪江町は町民約2万1千人のうち約6500人が、福島県外の45都道府県に避難している。県外での支援員の配置は、本県が山形県、千葉県などに続いて5カ所目。

本記事では,浪江町における新潟市への復興支援員の配置を紹介.
「最長5年の期間」で「被災地方自治体の委嘱を受け」て「被災地域や避難先地域で生活し」ながら「被災者の見守りやケア,集落での地域おこし活動などの復興に伴う地域協力活動に従事する」*1復興支援員制度.同制度では,「被災地方自治体が定める復興計画や復興計画に基づく要綱等に根拠を持つものとして設置されるものであること」,「被災地方自治体から」「委嘱状の交付等による委嘱を受け」て「復興に伴う地域協力活動に従事する者であること」,そして,上記の通り,「復興に伴う地域協力活動を行う期間」が「最長5年であること」が要件とされており,「委嘱の方法,期間.名称等」は「地域の実情に応じて弾力的に対応すること」も可能.財源は「支援員1人」に対して「報酬等(地域の実情に応じて地方公共団体が定める額)+活動費 (必要額)」が「特別交付税措置」される.
避難先となる町外での,いわば「地区担当職員制」*2ともなる同制度.町外の避難先内,避難先間との「橋渡し」*3の役割も期待できそう.活動状況は,要確認.

*1:総務省HP(政策地方行財政地域力の創造・地方の再生復興支援員)「復興支援員推進要綱

*2:西尾勝自治・分権再考』(ぎょうせい,2013年)50頁

自治・分権再考

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*3:ロバート・パットナム『孤独なボウリング』(柏書房,2006年)20頁

孤独なボウリング―米国コミュニティの崩壊と再生

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