- 作者: 堤未果
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2013/06/28
- メディア: 新書
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デトロイト市の財政破綻の報道*1を読み,本日の移動途中に第4章を拝読.非常事態管理法に基づき州知事が任命する「危機管理人(Emergency Manager)」が就任し(上記記事では「緊急財務管理者」と訳出),その就任に対する「住民や市の職員が大勢抗議デモ」(196頁)が同職に押し寄せてきた場面まで本書は描かれている.しかし,結果的には「破綻」.同章内で,同市が財政破綻への予防として都市政策的な対応をとるものの,逆機能に至る,次の指摘にはなるほどと思いました.
「2012年5月にデトロイト市は8万8000灯ある街灯を半分に減らす,通称「ゴーストタウン計画」を実施する.もともと半数は壊れたまま市が修理代すら出せずに放置されていたが,点灯数を半減させることで住民の生活エリアを縮小させる目的だった.その結果,犯罪率はさらに上昇,住民の流出が加速した.」(171頁)
*1:日本経済新聞(2013年7月19日付)「デトロイト市破綻 負債1.8兆円、米自治体で最大 人口流出響く」