京都府は、会員制交流サイト(SNS)のフェイスブック(FB)で府民や専門家が政策形成について議論する第1回「府SNSスマートミーティング」を開始した。インターネット上への意見投稿という時間や距離に関係なく参加できる利点を生かし、多くの府民の議論内容を府の計画作りに活用していく。
 スマートミーティングは、FBに開設したページで24日に始めた。府によると、FBを使って政策形成段階で議論を促すのは「都道府県では聞いたことがない」という。第1回のテーマは「ITを活用したこれからの防災対策」。寄せられた意見や議論は、災害に強いネットワークや情報システムの構築に向けた府の「京都スマート情報プラン」策定に生かす。議論への参加や意見の投稿は8月20日まで。
 一般の参加者に加え、情報技術の研究者や災害対策に取り組むNPO法人の関係者もそれぞれ意見を投稿する。建設的な議論の場とするため、テーマに無関係な書き込みや、誹謗(ひぼう)中傷など不適切な内容は、ページ管理者の府が訂正を求めたり削除したりする。意見を投稿できるのは、実名でFBに登録している府民や在勤者、京都にゆかりのある人で、府のホームページから申し込む。FBに登録している人は議論を閲覧できる。問い合わせは府情報政策課TEL075(414)4386。

本記事では,京都府におけるフェイスブックを通じた政策形成の取組を紹介.同取組は,同府HPに掲出された募集要項を参照*1
募集要項によると「府民」との「協働による政策づくりを一層推進する」ことを目的に,「SNS」の「フェイスブックを活用した政策形成段階からの議論」を開催.同議論の名称は「京都府SNSスマートミーティング」.「ITを活用したこれからの防災対策」がテーマに「平成25年7月24日(水)から8月20日(火)まで」*2で議論される.
「応募資格」は,まずは「ITを活用したこれからの防災対策について関心を持ち」「積極的に議論に参加していただける方」であること,次いで「フェイスブックに実名登録し」「意見を投稿することが可能な方」であること,最後に「京都府内に在住,在勤又は在学している方」「若しくは京都府にゆかりのある方」となる.三つめの「京都府にゆかり」の範囲は判然とはしないものの,広義の同府民の参加を想定されている様子.「開催方法」は「フェイスブックのグループ機能」を利用し,「承認を受けた参加者等が意見を投稿」*3する.グループ機能では「プライバシー」が「公開」と設定されているため,実際の同取組は,同FB*4で未登録者の閲覧は可能となる.
運営次第では,「同質の意図関心の再強化過程」にも,「異論間の相互学習」*5にもなりうる同取組.議論の過程は,要経過観察.

*1:京都府HP(新着情報:これからの防災対策を一緒に考えませんか「京都府SNSスマートミーティング参加者募集」京都府SNSスマートミーティング参加者募集要項 平成25年度第1回「ITを活用したこれからの防災対策」について

*2:前掲注1・京都府京都府SNSスマートミーティング参加者募集要項 平成25年度第1回「ITを活用したこれからの防災対策」について)

*3:前掲注1・京都府京都府SNSスマートミーティング参加者募集要項 平成25年度第1回「ITを活用したこれからの防災対策」について)

*4:京都府SNSスマートミーティングFB「京都府SNSスマートミーティング

*5:田尾雅夫『市民参加の行政学』(法律文化社,2011年)83頁

市民参加の行政学

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