実践! 田舎力 小さくても経済が回る5つの方法 (NHK出版新書)

実践! 田舎力 小さくても経済が回る5つの方法 (NHK出版新書)

本日は,同書.同書の第2章から第3章では,「小さくても新たな経済づくりを行なっている」(66頁)高知県内での6次産業化や食と観光の連携事業の実例を多く紹介.今週2013年9月2日から5日で開講した高知大学での集中講義に向かう飛行機の中で読了.
「未来のまちづくりを行なうには,地域自らが自分たちのまちをどんな方向につくりなおしていきたいのかが明確でなければならない」(200頁).本書が紹介する36地域での多様な実例から得られる共通点はこの点につきる.まちづくりの担い手は,特定の誰かではない,当事者である「自分たち」次第であることがよく分かる.例えば,「高松丸亀町まちづくり株式会社」(181頁)が運営されるのは,当事者である「地権者たちで責任を負って」「収益化」(186頁)にいたるという「方向」があるからなのだろう.
結局は,当事者次第である.シンブルだが説得力がある.では,自治体行政はどのように関わるのだろうか.自治体行政もどのような当事者であり続けるのだろうか.本書で紹介されている,飯田市の「市職員を各地区の「公民館」」へと「配属」(225頁)の実例に基づく次の指摘からは,自治体の職員は組織に属することでではなく現地に入ることで当事者になることを強調されているようでもあり,なるほどと思いました.

働き盛りの若手職員が庁舎から出て現場に散らばっていることは,効率という面ではもしかしたら歩留まりが悪いかもしれない.しかし,実地で学んだことは,庁舎に戻って指導する立場に回ってからもきっと活かされるのだろう.」(225頁)