東日本大震災津波で全壊した岩手県大槌町の町図書館の再建策を検討する大槌メディアコモンズ検討委員会は29日、基本構想を町教委に提出した。震災の記憶を伝えるアーカイブ機能、地域の歴史や文化を学ぶ博物館機能を備えた図書館(MLA連携型施設)を核に、被災した他の社会教育施設機能との融合を提言した。
 「町民による町民のためのメディアコモンズ」が基本コンセプト。メディアコモンズは、さまざまな情報、地域資源を包括して共有する考え方で、新図書館を大槌の文化拠点、復興への情報拠点と位置付けた。被災した町中心部の御社地ふれあいセンターとの融合を想定し、規模は被災前の2倍を超える1000平方メートル以上が必要と指摘。運営は施設管理者と町民、外部識者による委員会方式を求めた。検討委は8月から5回の会合を公開で開催。小学生対象のワークショップも開いた。委員長の秋道智弥東大名誉教授は「ハード中心の復興が進む中、新図書館のソフト機能を先行して検討した意義は大きい」と話した。町教委は町復興計画との整合性を図りながら来年度に基本計画を策定。2016年3月を目標に整備する。

本記事では,大槌町における図書館整備の検討状況を紹介.
2013年8月5日に同町が設置した「(仮称)大槌メディアコモンズ(MLA)検討委員会」*1.同委員会では,同町が定めた復興計画で記載した「東日本大震災津波の被害の記憶を風化させることなく,,様々な体験や教訓を後世に伝えていく」ことを目的に,「MLA連携(図書館・博物館・文書館)による記憶と記録の収集・分析・整理・保存・公開・活用」*2するという課題を踏まえて,「MLAという「装置」をどう使っていくかが復興であり課題」*3と捉え,5回審議.現在のところ,本記事で紹介されている答申は公表されていない模様.「図書館を置く「妥当な」場所」*4も検討されているのだろうか.公表後,要確認.