渋谷区は耐震性が問題になっている区庁舎について、民間資金を利用して建て替える方針を明らかにした。区庁舎の敷地の一部を37階建ての高層マンションの建設用地として貸し出すことで、区の費用負担なしに区庁舎と隣接する渋谷公会堂を建て替える。新区庁舎は2015年度に着工し、18年度までの完成を目指す。
 民間事業者5社の提案から、耐震性や工期の短さ、区の費用負担などの評価項目で最も点数が高かった案を選んだ。事業者名は年明けの基本協定締結時に公表するとしている。総事業費は367億円。区は敷地の一部を約70年の契約で民間事業者に貸し付け、得た収入を15階建ての新庁舎と現在と同規模の2000席を備える新公会堂の建設費に充てる。事業者は借り受けた敷地に総戸数414戸、高さ約120メートルのマンションを建設する。区は来年度に仮庁舎を建設し、区役所の機能を一時移転する。公会堂とマンションは新区庁舎から約1年遅れで完成する見通し。

本記事では,渋谷区における庁舎の建替方針を紹介.
同区が2013年に策定した『渋谷区実施計画2013〜誰もが安心して住み続けられるまち しぶや〜(計画年度 平成25年度〜平成27年度)』*1では「区役所総合庁舎の建替等検討」を「重点」「新規」事業に掲出.
1964年に「建設された」同区の「総合庁舎」は,「構造・設備の老朽化」が進み,加えて「首都直下型地震発生の可能性が指摘される中」,同実施計画では「震災時における事業の継続性の基盤として」「庁舎の安全性・耐震性の確保は早急に対応すべき課題」*2と同実施計画では課題を設定.そこで,「区民サービスが滞ることなく,また.財政負担を最小限にとどめることを前提」とした「総合庁舎の建替等検討」*3されている.2013年の第3回定例議会では「渋谷区総合庁舎の建替えを求める決議」*4が決定し,「民間事業者から提案のあった5案を精査」*5が進められてきた様子.
本記事によると「耐震性や工期の短さ,区の費用負担などの評価項目で最も点数が高かった案」が選定され,具体的には「区庁舎の敷地の一部を37階建ての高層マンションの建設用地として貸し出すこと」で,2008年5月16日付2010年4月29日付2010年4月29日付2013年11月1日付の各本備忘録でも記録した豊島区の庁舎と同様,「財政支出なしの新庁舎」*6建設となる模様.区民の観点からの庁舎内の配置は,公表後,要確認.

*1:渋谷区HP(区政情報区の計画渋谷区実施計画2013)『渋谷区実施計画2013〜誰もが安心して住み続けられるまち しぶや〜(計画年度 平成25年度〜平成27年度)』(渋谷区)57頁

*2:前掲注1・渋谷区(=渋谷区実施計画2013)57頁

*3:前掲注1・渋谷区(=渋谷区実施計画2013)57頁

*4:渋谷区HP(渋谷区議会区議会の活動定例会と臨時会)「平成25年第3回定例会/議案等の概要と結果

*5:渋谷区HP(区政情報区長室)「平成25年第4回区議会定例会での発言

*6:溝口禎三『財政支出ゼロで220億円の新庁舎を建てる 豊島区の行財政改革と驚異の資産活用術』(めるくまーる,2012年)30頁

財政支出ゼロで220億円の新庁舎を建てる 豊島区の行財政改革と驚異の資産活用術

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