徳島、10〜12年度900個 今年度は30個
 徳島市役所で、トイレットペーパーがなくなる被害が続いている。何者かが持ち去ったとみられ、2010〜12年度には計約900個がなくなり、今年度も30個が被害に。市は「持ち去りは窃盗罪にあたり、10年以下の懲役又(また)は50万円以下の罰金に処されます」と記した貼り紙を庁内のトイレに掲示しており、「市民を疑うわけにいかないが。何とかしたい」と頭を悩ませている。(川本修司)
 市は使い切った後に残るはずの芯がないのに、数が減っている場合、「盗まれた」と判断。市によると、その数は10年度は400個、11年度は380個に上った。12年度は115個と減少に転じ、13年度は25日現在で30個とさらに減っているが、年間の開庁日を考えると、今年度もおよそ1週間に1個がなくなっている計算になる。取り換え用のトイレットペーパーは各個室の棚などに置いているため、誰でも簡単に持ち帰ることができる状態にある。トイレを清掃する委託業者が毎日、数を確認しているが、特に市民が立ち寄る機会の多い庁舎1、2階の女子トイレで被害が目立つという。
 市は対策として、トイレットペーパーの持ち帰りを強く禁じる貼り紙を各個室に掲示し、「発見した場合は警察に通報します」と警告。また、ロールの断面に1個ずつ、「徳島市役所財政部管財課」の部署印を押して、市の備品であることを強調している。市管財課は「一つひとつの値段は安くても、トイレットペーパーは市民の財産。後に使う人が困らないよう対策を考えたい」としている。
<他自治体「報告なし」>
 徳島市以外の県内の自治体でも同様の被害で困っていないかを県と鳴門市、小松島市阿南市の担当課に尋ねたところ、いずれもそういった報告は受けていないと回答。小松島市役所では毎日、補充した個数を数えているが、担当者は「おかしな事例はここ数年聞いたことがない」と話す。

本記事では,徳島市におけるトイレットペーパー管理の取組を紹介.
本記事によると,本館の1階*1,2階*2のトイレでは,「およそ1週間に1個」のペースでトイレットペーパーが遺失が観察されている模様.対策は,トイレ内に「貼り紙を各個室に掲示」し,個々のトイレットペーパーには「断面」に「「徳島市役所財政部管財課」の部署印を押」すという.
遺失を事前に抑制するために,取り換え用の個数を制限すれば利用者に支障が生じ,余剰分を置けばあれば遺失のリスクも高まる,トイレという個室空間ゆえの「介入の失敗」からの「リスク・トレイドオフ」*3に直面するトイレットペーパーの管理.今後の状況は,要確認.

*1:徳島市HP(市役所案内)「1階窓口の案内

*2:徳島市HP(市役所案内)「2階窓口の案内

*3:ジョン.D.グラハム,ジョナサン.B.ウィーナー,『リスク対リスク』(1998年)221頁asin:4812298334:detai]l