静岡県川勝平太知事は、現在一人となっている副知事について、二人増員して三人体制とする方向で調整を始めた。複数の県関係者が十二日、中日新聞に明らかにした。知事は七日の定例会見で「防災と経済という日本、県の課題に精通している人がふさわしい」と述べており、国土交通省財務省出身者を中心に人選を進めている。
 県関係者によると十一日、知事が県議会側に三人体制の検討を始めたことを伝えた。国交省出身の森山誠二氏が三月末に退任後、副知事は県職員出身の大須賀淑郎氏のみ。知事は両省にパイプを得て、南海トラフ巨大地震に備えた防災力強化や、回復が遅れているとされる県内経済立て直しを図りたい考え。副知事人事は県議会の同意が必要。二〇一二年の県議会二月定例会では、当時一人だった副知事を三人にする人事案を提案したが、最大会派「自民改革会議」が「三人制は行財政改革に逆行する」と反対し、否決された経緯がある。当時の副知事が辞職したことで、二人体制にする人事案を出し直して可決された。
 今回も自民の一部に三人体制に慎重な意見があるため、知事は「県議会の賛同を得るよう努める」と述べ、調整を進めている。副知事三人体制は〇六年の条例改正で認められている。知事は会見で「一カ月あまりの間には決めたい」と述べており、五月十五日の県議長選出の臨時議会または六月議会に議案提出するとみられる。

本記事では,栃木県における副知事職の方針を紹介.
本記事後段で紹介されているように,同県では「静岡県副知事定数条例」上は「定数は.3人」*1のところ,現在はお一人*2が就任.同副知事室のサイト内で公表されている,2014年4月14日から同年同月18日までの1週間の「予定」を確認すると,副知事室内での「協議」が8件,同室内での「会議」が3件,副知事室以外での庁舎内での用務では同じく「会議」が2件,知事室での「立会」が1件,「東日本大震災における被災者の支援活動等に対する厚生労働大臣感謝状伝達式」が1件ある.庁舎外では同年同月14日18時30分から15日の終日で「平成26年度全国都市緑化祭 秋篠宮同妃両殿下お成り」や同年同月17日に14時30分から「第97回東海市議会議長会定期総会」*3がある.
「長の補佐」として「一般的な助言を行」いつつ「長の委任を受けて長の権限に属する事務を遂行」*4する業務の様子も窺えそう.制度のみならず実際にも複数制を導入された後での,業務の分掌は要確認.

*1:静岡県HP(県政情報条例・規則・公報)「静岡県副知事定数条例」(平成18年12月26日,条例第61号)

*2:静岡県HP(組織別情報)「ようこそ副知事室

*3:静岡県HP(組織別情報ようこそ副知事室)「今週の副知事

*4:出雲明子「第3章 議会と執行機関」柴田直子・松井望編著『地方自治論入門』(ミネルヴァ書房,2012年)88頁

地方自治論入門

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