五月七日に開庁する豊島区新庁舎(南池袋二)の落成式が二十三日、庁舎内であり、区内の町会長ら約千二百人が出席した。新庁舎には、農地化や宅地化で失われた区内の自然環境を再現し、約百種類の植物と十三の鳥や昆虫などがすむ庭園が整備された。設計を担当した建築家の隈研吾さんは、記者会見で「行政庁舎の固いイメージではなく、優しいデザインを目指した。生活の中心にあるホールとして活用してほしい」と語った。(皆川剛)
 新庁舎は、地上四十九階、地下三階建ての複合施設「としまエコミューゼタウン」のうち、一階の一部と三〜九階を使用。上層部は約四百三十戸のマンションとなり、区によるとマンション一体型の自治体本庁舎は全国で初めて。九階までの低層部の外壁には、太陽光発電パネルとシダ植物などを植えた緑化パネル計約八百五十枚を配置して網戸を付け、各階の中央を貫く吹き抜けを通して換気する。隈さんは、建物全体を「一本の樹木」に見立てたという。四、六、八、十階の南側に設けた庭園には、現在は区内に自生しないイヌコリヤナギやガマなどを植え、明治〜大正期ごろの自然環境を再現。外階段でつながる各庭園には自由に出入りでき、小中学生の環境学習にも利用する。環境デザインを担当した平賀達也さんは「普段はコンクリートの話ばかりしているおじさんたちが、どうやってメダカを泳がせるかを議論した」と話した。新庁舎では、福祉担当課と区民利用の多い申請や届け出の窓口を集約した総合窓口は全ての土、日曜日に開庁する。二十四〜二十九日には区民向けの内覧会がある。
 総事業費約四百三十億円のうち、区が負担する百二十四億円は、現庁舎と分庁舎の土地を民間に貸して全額を賄う予定。

本記事では,豊島区における庁舎開庁の取組を紹介.
2008年5月16日付2010年4月29日付2010年4月29日付2013年11月1日付の各本備忘録でも記録した,「複数の施設種別を単一建物に併置」する「複合化」*1により整備された同区の庁舎,本記事によると,2015年3月23日に「落成式」が開催.開庁は,同年「5月7日」*2となる.本記事後段でも紹介されているように,開庁に先駆けて,同年「3月24日」から「27日」は「午前10時〜正午」,「3月28日」は「午前10時〜午後4時」,「3月29日」は「午前10時〜午後3時」の間,同庁舎のうち「1階」となる「としまセンタースクエア」,「3階」の「総合窓口」,5階の「災害対策センター」,「8階」の「議場」,「10階」の「屋上庭園「豊島の森」」,「8・6・4階」の「グリーンテラス」では「見学会」*3が開催されている.待ちに待った開庁.開庁前も,開庁後もぜひ訪問してみたい.

*1:日本建築学会編『公共施設の再編-計画と実践の手引き-』(森北出版,2015年)187頁

公共施設の再編-計画と実践の手引き-

公共施設の再編-計画と実践の手引き-

*2:豊島区HP(区政情報施設案内新庁舎整備の状況)「新庁舎見学会

*3:前掲注2・豊島区(新庁舎見学会)