大阪市を廃止し五つの特別区を新設する「大阪都構想」の協定書(制度案)への賛否を問う市民対象の住民投票が、27日に告示される。1956年の政令指定都市制度の創設後初めて、その存廃を住民が直接決定する。5月17日の投開票に向け、橋下徹市長が代表を務め都構想を推進する大阪維新の会と、反対する自民、民主、公明、共産各党の論戦が本格化する。
 今回の住民投票は大都市地域特別区設置法に手続きが定められ、結果は法的拘束力を持つ。協定書によると、特別区基礎自治体として福祉や教育などの住民サービスを提供する役割を担い、大阪府はインフラ整備などの広域事業や都市経営を担当する。1票でも賛成が上回れば、2017年4月の新制度移行が決まる。ただ大都市法に府から「都」への名称変更規定はなく、実現には法整備が必要だ。
 賛否同数か反対多数なら都構想は頓挫、市は維持される。橋下氏はこの場合、12月までの市長任期を満了した上で政界を引退する意向を表明。住民投票は、2008年の府知事就任以来続く「橋下政治」への審判という意味合いも持つ。市は今月14日から告示前日の26日まで、13日間計39回の住民説明会を実施し、橋下氏は市長として全ての回に出席。27日からは大阪維新代表として、街頭などで都構想への賛成を呼び掛ける。反対各党は住民説明会での橋下氏の発言が賛成を誘導していると批判。反対の立場で独自の説明会を開催するなど対抗措置を取っている。
 ▼賛否両派「勝負これから」 市民への働き掛け強化
 27日に告示される「大阪都構想」の住民投票では、推進派の大阪維新の会と反対派の自民など4党が、それぞれ組織をフル回転し市民への働き掛けを強める構えだ。前哨戦と位置付けた大阪市議選では4党候補の得票総数が大阪維新を大きくリードする一方、共同通信社出口調査結果では賛成が反対を上回った。双方とも情勢は流動的とし、「勝負はこれからだ」と見定める。
 市議選で大阪維新は最大勢力を維持。だが候補の得票総数(約37万票)は、自民、民主、公明、共産の4党(計約58万票)が20万票も上回った。一方、出口調査結果では大阪維新候補に投票した人の中にも都構想に反対する人、逆に4党の候補に票を投じた人でも賛成だという人がそれぞれ含まれる。割合を掛け合わせると賛成は約46万5千票、反対は約44万5千票と逆転する。とりわけ市議選で計約39万票を獲得した自民、公明両党候補への投票者は、21・4%、27・5%が都構想に賛成と回答し、結果として賛成の割合を押し上げた。両党は民主党とも連携して反対の立場から都構想に関する独自の市民説明会を重ねているが、支持層に主張を理解してもらえるかどうかが課題となる。(共同通信

本記事では,大阪市における特別区設置に関する住民投票の公示を紹介.
2015年「5月17日」が「投票日」となる同住民投票は,,同年「4月27日」が「告示日」*1.翌日の「4月28日」から,投票日前日となる「5月16日」までの間,「期日前投票*2も行われる.
「投票の方法」は,「特別区設置協定書に賛成の場合」にはは「賛成」,「特別区設置協定書に反対の場合」には「反対」と「記入」*3する自書式を採用.「賛否の決定」は,「投票者数にかかわらず成立」し,「賛成の票数」が「賛成票と反対票を合計した総数」となる「有効投票」の「半数を超える場合」,「特別区設置協定書に基づき大阪市が廃止され,特別区が設置」,「反対の票数が有効投票の半数以上の場合」には「特別区は設置され」*4ない.「大阪市という自治体の消滅の自己決定=自決が,大阪市民の手に委ねられ」*5る同住民投票.投票結果は,要確認.

*1:大阪市HP(組織一覧選挙管理委員会特別区設置住民投票) 「投票の日程

*2:大阪市HP(組織一覧選挙管理委員会特別区設置住民投票

*3:大阪市HP(組織一覧選挙管理委員会特別区設置住民投票) 「投票の方法・賛否の決定

*4:前掲注3・大阪市(投票の方法・賛否の決定)

*5:金井利之「新地方自治のミ・ラ・イ第25回消滅可能性自治体・大阪市のミライ」『ガバナンス』No.168,2015年4月号,85頁

月刊ガバナンス 2015年 04 月号 [雑誌]

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