県内で唯一、65歳以上の全高齢者の医療費を無料化している諏訪郡原村で15日、制度の見直しを議論してきた検討委員会が、給付開始年齢を70歳以上に引き上げ、転入者は2年間の居住を要件とする答申を清水澄村長に提出した。清水村長は答申を尊重する姿勢を示したが、8月7日の任期満了で引退を表明しており、村としての対応は実質的に今月26日投開票の村長選を経て就任する新村長の判断に委ねられる見通しだ。
 答申は、現在の65〜69歳の受給者は継続して受給できる経過措置を設け、来年の4月以降に65歳になる人は70歳まで給付対象外になるとした。答申の付帯意見として、所得制限の検討やジェネリック医薬品(後発薬)の利用促進なども求めた。小林庄三郎委員長は「村民の思いを集約した答申ができた」と述べた。
 原村の高齢者医療費無料化制度は1971(昭和46)年、75歳以上を対象に始まり、81年から現在の65歳以上対象に拡大。全高齢者を対象に医療費を無料化している自治体は全国でもまれという。ただ、90年度に1100万円余だった村の負担額は2014年度、初めて1億円を突破。村は今年1月、医療・福祉関係者や公募住民らの検討委を発足させ、住民アンケートを行うなどして検討を進めていた。
 今後、制度を変更する場合は、村が医療費特別給付金条例の改正案を村議会に提出、可決を得る必要がある。

本記事では,原村における高齢者医療費の助成の取組を紹介.
「老人,子ども,障害者,ひとり親家庭の親子等及び世帯主」が「療養の給付」や「療養費の支給」を「受けたときに医療費特別給付金」を「支給する」*1同制度.2015年「1月19日」から検討を開始した「原村医療費特別給付金制度のあり方検討会」では,「特に老人医療費特別給付金の負担額」を対象に,同「制度のありかた」を「検討」*2.本記事では,同検討会の検討結果を紹介.本記事によると,「現在の65〜69歳の受給者は継続して受給できる経過措置」を設置しつつも,「来年の4月以降に65歳になる人は70歳まで給付対象外」とする提案を答申された模様.「村長選」後の「政策転換」*3の検討過程は,要観察.

*1:原村HP(例規集)「原村医療費特別給付金条例」第1条

*2:原村HP( 住民の方へ医療費の助成)「 医療費特別給付金制度のあり方検討会議

*3:三田妃路佳「政策転換論」大山耕輔監修『公共政策の歴史と理論』(ミネルヴァ書房,2013年)268頁

公共政策の歴史と理論

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