大田区は17日、区内で個人宅やマンションの空き部屋に訪日外国人が宿泊する「民泊」営業を認めるための条例案を区議会の議会運営委員会に示した。26日開会の区議会定例会に正式提案する。
 国から旅館業法の特例区域の指定を受け、来年1月からの制度開始を目指す。同様の条例は10月、大阪府議会で可決・成立しているが、大田区条例案は、近隣住民の不安解消のため「民泊」業者に対して、府条例にはない「事業計画を事前に住民に周知する義務」を課すのが特徴だ。
 ホテルや旅館の経営を圧迫しないよう、滞在は6泊7日以上に限り、区職員が業者に対して立ち入り調査する権限を与える。松原忠義区長は毎日新聞の取材に「国際化が進み、5年後に東京五輪パラリンピックを控える中、区内ホテルの稼働率は91%と限界。民泊を受け入れることで、区内の経済振興につながる一方、違法業者の排除につながる」と述べた。【早川健人】〔都内版〕

 品川区の浜野健区長は17日に開いた記者会見で、2020年の東京五輪パラリンピックに向け、マンションなどの空き部屋を宿泊施設として活用する「民泊」を認める条例の制定を検討していることを明らかにした。都内では大田区が12月議会で条例の成立を目指しており、それに続く動きとなる。浜野区長は「区内全域を考えているわけではない」と述べ、旧東海道品川宿の地域にある空き家の活用などを例に挙げた。
 旅館業法では、フロントなどの必要な設備を満たしたホテルや旅館に限り宿泊施設の営業を認めているが、政府の国家戦略特区に指定された自治体が条例を定めれば、空き部屋を宿泊施設として使うことができる。品川区内の海側エリアには東京五輪でビーチバレーやホッケーの会場が設けられ、人が多く集まることが予想される。浜野区長は、「(対象地域は)海側を優先的に考えていきたい」と語った。

両記事では,大田区と品川区における「民泊」営業を認める条例案の検討状況を紹介.
大田区では「一定の条件を満たしたマンションなどの空き部屋を宿泊施設として活用できるようにする」よう,「12月議会での提案をめざし」*1検討中の同条例案.第一記事によると「滞在は6泊7日以上」として「区職員が業者に対して立ち入り調査」権限をもち,加えて,「事業計画を事前に住民に周知する義務」を規定した条例案を,11月「26日開会」の「定例会に正式提案」される模様.第二記事では,品川区における「条例の制定」の「検討」方針を紹介.大阪府における制定,そして,大田区の検討内容からの「教訓」を踏まえた,同区における「政策対応」*2の帰結は,条例案の策定後,要確認.

*1:大田区HP(区長室区長フォトメモリー)「平成27年9月

*2:秋吉貴雄, 伊藤修一郎, 北山俊哉『公共政策学の基礎 新版』(有斐閣,2015年)205頁

公共政策学の基礎 新版 (有斐閣ブックス)

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