福島県は25日、東京電力福島第1原発事故後に初めて実施された2015年国勢調査(10月1日現在)の速報値を公表した。県全体の人口は前回(10年)より11万5458人少ない191万3606人。少子高齢化原発事故が拍車を掛け、減少幅は5.7%と過去最大となった。
 原発事故で全住民が避難する6町村のうち、富岡、大熊、双葉、浪江の4町は人口ゼロと算定された。ほかに全域避難の葛尾村は準備宿泊中の18人、飯舘村特別養護老人ホームに入所する41人だけとなり、ともに98%以上減った。
 かつて全域避難した自治体のうち、ことし9月に避難指示が解除された楢葉町(976人)は87.3%減。11年9月解除の広野町(4323人)は20.2%減にとどまった。町民の多くが避難を続けるが、廃炉作業員らが居住し、減少幅が縮まった。川内村(2021人)は28.3%の減少。
 一部地区に避難指示が出された自治体では、田村市(3万8500人)が4.8%の減少、川俣町(1万4479人)が7.0%減で、事故前の減少率と大きな差はなかった。南相馬市(5万7733人)は18.5%減少した。
 避難区域周辺では一部自治体が増加に転じた。いわき市(34万9344人)が2.1%、相馬市(3万8575人)が2.0%増え、三春町(1万8305人)と福島市(29万4378人)はともに0.6%の微増。避難者や復興事業の従事者らの受け皿となり、いわき、相馬、三春の3市町は20年ぶり、福島市は15年ぶりの人口増となった。
 男女別でみると、男性(94万4967人)が4.0%、女性(96万8639人)は7.3%それぞれ減った。原発事故に伴う県外避難者は女性が比較的多く、復興事業に携わる転入者の大半が男性であることを反映したとみられる。

本記事では,福島県における国勢調査の結果(速報値)を紹介.
同調査結果によると,「南相馬市田村市,川俣町,飯舘村及び双葉郡8町村の12市町村を除く」市町村では,「人口増減率」は,西郷村が最も高く「2.8%」の「561」人増,次いでいわき市が「2.1%」の「7,095」人増,そして,相馬市の「2.0%」増「758」*1人となる.
他方,「東日本大震災原子力災害による避難市町村の状況」は.本記事でも紹介されている通り,「避難指示が解除された市町村」または「避難指示区域が当該市町村の一部である市町村」では,増減率を確認すると,楢葉町は「87.3%」「6724」人減,川内村が「28.3%」「799」人減,広野町が「20.0%」「1,095」人減,南相馬市が「18.5%」「13,145」人減,川俣町が「7.0%」「1,090」人減,田村市が「4.8%」「1,922」*2人減となる.
そして,「全域が域避が難避指難示指区示域区に指定されている」「富岡町大熊町双葉町浪江町」は「人口」が「0」.「葛尾村」は「準備宿泊者」の「18名」,「飯舘村」は「社会福祉施設入所者」の「41名」*3となる.
「社会生活を支える,一種のインフラの役割」*4となる同調査.同町調査結果による「行政運営」等の影響への対応は,要確認.

*1:福島県HP(組織でさがす統計課平成27年国勢調査速報(福島県の人口・世帯数)を掲載しました。)「平成 27 年国勢調査 速報 ― 福島県の人口・世帯数 ― 平成27年10月1日現在」(平成27年12月25日)4頁

*2:前掲注1・福島県(平成 27 年国勢調査 速報 ― 福島県の人口・世帯数 ― 平成27年10月1日現在)5頁

*3:前掲注1・福島県(平成 27 年国勢調査 速報 ― 福島県の人口・世帯数 ― 平成27年10月1日現在)5頁

*4:佐藤正広『国勢調査 日本社会の百年』(岩波書店,2015年)22頁

国勢調査 日本社会の百年 (岩波現代全書)

国勢調査 日本社会の百年 (岩波現代全書)