高齢者介護施設の不足をふまえ、中高年の区民に区外施設への移住を促す計画を検討していた東京都豊島区の有識者委員会は二十四日、高野之夫区長に計画を推進するよう勧める報告書を提出した。区は秩父市と共同で、特別養護老人ホームやケア付き住宅を同市内に整備する検討を本格化させる。
 豊島区は六十五歳以上の単身世帯比率が32%(二〇一〇年)と全国平均の約二倍。今年九月時点で特養の入所待機者は四百七十二人にのぼる。区内に空き用地がないため区外整備を検討してきた。委員長の大森彌(わたる)東京大名誉教授は「(区域外介護は)消極論が多いテーマだが、特性も規模も異なる自治体が補い合うのは望ましい」と指摘した。
 「面会者の宿泊設備や送迎サービスがほしい」などの区民アンケートの意見もふまえ、区は秩父市と土地建物の取得や運営主体、自治体間の費用負担について協議する。その内容をふまえ、区有施設のある千葉県富津市での整備もあわせて検討する。
 高野区長は「秩父市の久喜邦康市長とは、区内の大学のサテライトを市に新設する案も話し合っている。ただ特養をつくるだけでなく、アクティブシニアが生き生きと暮らせる内容にしたい」と話した。 (皆川剛)

本記事では,豊島区と秩父市における高齢者移住の取組を紹介.
2015年7月16日付及び同年8月13日付の両本備忘録にて記録した両市区間での同取組方針.同区では,2015年7月15日に「特別養護老人ホーム整備等の新たな整備手法に関する調査研究会」を設置し「特別養護老人ホーム整備等の新たな整備手法に関する調査」「研究」*1を実施.同調査研究会では,本記事でも紹介されている通り,同年12月24日に「調査報告書を取りまとめ」,同区長に「提出」*2している.
同報告書は,現在のところ公表されてはいない模様.同区HPによると,同報告書は,同区の「高齢化の特徴と施設整備等の現状」,同区外の「特別養護老人ホーム整備の是非および課題等」,「総合的な視点に立った包括的ケア基盤整備のために」の「構成」であり,「現実的に特別養護老人ホームの整備に相応しい3000平方メートル程度の用地確保が困難な中」「区外における特別養護老人ホームの整備も検討に値する手法」との見解を示している,という.
「移住環境の整備」*3の具体的な内容は,本報告書公開後,要確認.