県と株式会社西武ライオンズ所沢市)は、スポーツ振興や観光など十七項目での包括的連携協定を締結した。プロ野球球団が都道府県レベルでこうした協定を結ぶのは珍しいという。県はこれまでにコンビニや流通業など十九社と協定を結んでいるが、スポーツ分野では初めてとなる。上田清司知事と西武の居郷肇社長が県庁で協定書にサインした。
 今後は、NEXCO東日本(東日本高速道路)のサービスエリアやパーキングエリア、西武プリンスドーム所沢市)などで県内観光や試合観戦を共同でPRするイベントを開催。野球観戦で訪れた人に所沢市西武鉄道の路線でつながる秩父地域や川越市などの観光地にも足を運んでもらおうと、新たなパッケージツアー開発に向けての検討も始める。
 台湾からの観光客誘致でも協力する。台湾では日本ハム陽岱鋼(ようだいかん)選手や西武に所属する三人の台湾人選手が注目され、パ・リーグの人気が高いという。県は本年度、台湾の旅行会社に県内へのツアーを売り込む「埼玉国際観光コンシェルジュ」を設置するなど観光客増に力を入れている。
 また、西武が地域向けに開いている野球教室や指導者講習会などを県のスポーツ振興イベントに組み込んでスポーツ体験の裾野を広げる。
 上田知事は「さらなる連携を広め、球場にも応援にかけつけたい」、居郷社長は「県の代表として県の魅力を発信していきたい」と述べた。 (冨江直樹)

本記事では,埼玉県における包括連携協定の締結の取組を紹介.
本記事で紹介されている同社と「17項目」に関する「包括連携協定」*1を締結した同県.同社をあわせて,同種の協定は「20社目」*2.同協定を締結するまでには「埼玉版ウーマノミクスプロジェクト」「埼玉フェスタ」「青少年夢のかけはし事業」で連携の実積を重ねており,同協定締結後は,具体的には「本県の地域資源と野球観戦をマッチングした観光PRでの連携」や「みんなでスポーツを楽しめる環境づくりでの連携」「事業」*3を進める模様.同協定締結による「行政目的」の「達成」*4する状況は,要観察.

*1:埼玉県HP(県政情報・統計県政資料・県報県政ニュース(報道発表資料)2016年度2016年6月)「埼玉県と西武ライオンズは「包括的連携協定」を締結します−スポーツ振興、観光など17分野で連携−

*2:前掲注1・埼玉県(埼玉県と西武ライオンズは「包括的連携協定」を締結します−スポーツ振興、観光など17分野で連携−)

*3:前掲注1・埼玉県(埼玉県と西武ライオンズは「包括的連携協定」を締結します−スポーツ振興、観光など17分野で連携−)

*4:碓井光明『行政契約精義』(信山社,2011年)56頁

行政契約精義

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