昨年四月の市議選で最下位当選者と次点候補者の当落逆転が起きた相模原市参院選で汚名をそそぐため、市選挙管理委員会は研修や準備に余念がないが、問題の当事者である元現市議や市民からの信頼回復は容易ではない。市選管幹部は「全職員に、投開票作業は自身の仕事であるとの意識改革を徹底したい。全力で臨む」と厳しい表情を崩さない。 (寺岡秀樹)
 「99・9%きちんとやったとしても、0・1%でも何かあれば大きな問題になる」「念には念を入れて審査していただきたい」
 参院選公示を二日後に控えた二十日、開票作業を担当する職員ら約百十人の研修会で、市選管幹部らが繰り返し強調した。研修はこれまで公示後に行ってきたが、当落逆転問題後に市が作った改善計画に基づき、参院選では公示前から実施。過去の事例を参考に、有効票と無効票の見極め方などを学んだ。本番までに、実際の候補者名を使った研修も重ねていくという。
 市議選では、南区選挙区で票を再点検した結果、無効票の束の中から次点候補者の有効票が見つかり、当落が逆転した。一転落選とされた最下位当選者の反論を最高裁が十四日付で退け、次点候補者の当選が確定した。
 有効票が無効票として扱われた主な原因は、投票用紙に書かれた文字などを見て有効か無効か判定する担当者が、二班に分かれて二重チェックしたはずなのに、十分でなかったこと。改善計画では、必ずベテランを含む複数でペアを組むように改め、二度目のチェック時には担当職員だけでなく責任者が白票も含めて全ての票に目を通すこととした。
 市議選では、投票者数より実際の票が六票多かったため、つじつまを合わせようと白票を減らすなどした不正行為も発覚。六票多くなった原因として、投票所で一人に二枚交付した可能性があるため、投票用紙自動交付機を約三百台購入し、参院選では全投票所に設置することにした。
 市職員から「参院選は票の種類が少なく、計画の初実践の場として取り掛かりやすい」と好結果を予想する声がある。ただ、「開票作業の担当者を早い時期に決め、研修を重ねることでレベル向上を図る」などとした計画は実行できず、担当者が決まったのは参院選直前だった。
 一転して当選となった大槻和弘氏(60)は「南区選挙管理委員には重大な監督責任がある。参院選の選挙事務を同じ委員の監督で実施することに大きな疑問を感じざるを得ない」とコメント。市議職を失った小林丈人氏(44)は「改善計画により本当に改善されるのか懸念が残る。参院選で同市南区の立会人になる予定で、現実にどう改善されたのか、開票所で確認したい」とくぎを刺している。

本記事では,相模原市における参議院議員選挙の開票作業に関する職員研修の取組を紹介.
同市の選挙管理委員会では,2016年1月27日に「選挙事務に係る改善計画」を「策定」*1.本記事によると,従来は「公示後」に開催されてきた「開票作業を担当する職員」を対象とした「研修会」を,参議院選挙の「公選挙事務に係る不適切処理の再発示」「2日」前にあたる6月20日に開催された模様.「選挙事務に係る不適切処理の再発を防止し」「事務の適正化」*2を通じた「不正がないよう」な「管理・執行」*3状況は,要観察.