文化庁の京都移転に向けた実証実験が11日、京都市内で始まった。京都府庁旧本館(上京区)と京都芸術センター(中京区)に派遣された文化庁職員らが、テレビ会議システムで東京側と連絡を取ったり、事業の打ち合わせに臨んだりした。
 国会や他省庁がある東京から離れても業務に支障がないかを確認するのが狙い。24日までの実験期間中、京都には交代で同庁職員が10人程度常駐し、延べ約90人が派遣される。
 最新式のテレビ会議システムがセットされた京都芸術センターではこの日、京都側にいる職員が、東京にいる同庁の中岡司次長に実証実験の目的などを報告。大型画面の向こうにいる中岡次長は「成果や課題をしっかり検証するように」とした上で、「京都は祇園祭の時期だ。地域に溶け込んで、いろいろな話を聞いてほしい」と述べた。
 15日に東京で開かれる文化審議会文化財分科会にも、テレビ会議システムにより京都から委員がリアルタイムで参加する。宮田亮平長官は21日から2日間、京都で執務する。
 実証実験について、山田啓二府知事は「文化庁の意気込みを見せてほしい」と述べ、門川大作京都市長は「関係者が一丸となり、実験を意義あるものにしたい」と話した。

本記事では,文化庁における京都への「お試し」移転の開始を紹介.
2016年3月22日に「まち・ひと・しごと創生本部会合」において決定された『政府関係機関移転基本方針』に基づき「地方移転の取組」「とは別次元の取組として」「国家公務員全般にわたる従来の業務形態を見直」す「テレビ会議やテレワークその他最新の ICT 等も活用した実証実験」*1を実施.文化庁に関しては,2016年「7月11日(月曜日)」から「24日(日曜日)」までの間,「京都府庁旧本館2階」の「文化庁文化芸術創造都市振興室」と「京都芸術センター」を「執務場所」として,「ICTによる実証実験」と「関西地域の関係者との意見交換など」を「実施」*2.「京都(文化庁文化芸術創造都市振興室ほか)」と「東京(文化庁5階執務室)」との「間で」「テレビ会議システムを活用した打合せ」*3が開催されている.執務空間を移したなかでの「働き方改革*4による「労働の慣習」*5の様子もまた,要観察.

*1:首相官邸HP(総理大臣主な本部・会議体まち・ひと・しごと創生本部施策等政府関係機関の地方移転について)「政府関係機関移転基本方針」(平成28年3月22日,まち・ひと・しごと創生本部決定)5頁

*2:京都府HP( 府政情報府政運営・行財政改革京都流 地域創生施策 政府関係機関の移転)「文化庁の京都移転に関連した実証実験開始

*3:前掲注1・京都府文化庁の京都移転に関連した実証実験開始)

*4:前掲注1・首相官邸政府関係機関移転基本方針)5頁

*5:筒井淳也『仕事と家族』(中央公論新社,2015年)146頁