滋賀県はこのほど、未来に向けた公文書管理に関する新ルールを策定することを決めた。現在は訓令にとどまっているルールの条例化に加え、歴史的に価値の高い膨大な文書をデジタルアーカイブ化し、インターネットでの公開なども検討する。県は「公文書管理条例の制定を目指し、歴史的文書の利用を具体的権利として位置づけたい」としている。
 県は、戦災などを免れた郡役所文書など、明治から昭和戦前期までの9068冊、約75万件の文書を「歴史的文書」として特別に管理し、これらは県指定有形文化財になっている。一方で、情報公開条例に基づく公開請求権が認められ、現在も事務で使う「現用文書」とは違い、歴史的文書は利用請求権が認められていない。
 2008年には県庁に県政史料室を開設し、歴史的文書を利用したい県民に対応しているが、あくまで行政サービスの一環としてであり、法的な位置付けや役割が不明確との指摘もあった。
 今後、県全体で統一的な文書管理ルールを導入し、公文書の作成義務と作成基準の整備を検討する。廃棄リストの公表などチェック機能も充実させる。17年度に条例案を提出し、19年度中の施行を目指す。
 県民情報室は「県は現在だけでなく、未来の県民に対しても説明責任がある。知る権利を保障し、透明性の高い利用手続きを整えたい」と話す。
 国の公文書管理法は11年4月に施行されたが、公文書管理条例を制定しているのは島根、熊本、鳥取、香川の4県しかない。

本記事では,兵庫県における公文書管理体制の方針を紹介.
2015年7月に「時代に則した公文書の管理および公文書館機能の整備を図るため」に「滋賀県公文書管理に関する有識者懇話会」*1を設置し,2016年5月までに「5回」*2の同懇談会を開催した同県.同懇談会の第5回では,「(仮称)未来に引き継ぐ新たな公文書管理を目指して (最終まとめ案)」を審議されており,同案では,「県全体で統一的な文書管理ルールを 導入することが望ましい」*3との考えが示されている.本記事では,「17年度に条例案を提出し,19年度中の施行を目指す」方針を紹介.同条例が制定された場合,公文書管理を通じた公文書の「住民のための管理」*4の取組みもまた要確認.