県会11月定例会は9日、地方事務所を改組して来年4月に「地域振興局」を新設する条例や、総額42億8800万円の本年度一般会計補正予算など31議案を原案通り可決し、閉会した。地域振興局は局長に予算や人事面で一定程度の権限を与え、同地域の現地機関同士の連携を強化して地域の横断的な課題解決に取り組む。
 阿部守一知事は閉会後の記者会見で「組織をつくること以上に、局長や職員の動き方、働き方を変えていくことが大事。地域の県民、市町村と一緒になって地域振興に取り組んでいく」と述べた。振興局設置が「看板の掛け替え」に終わらないよう、具体的な成果が問われることになる。
 各振興局は、地域ごとに特色や長所を伸ばせると見込める横断的な政策テーマを2、3項目ずつ設定。地事所地域政策課企画振興係を格上げして新設する「企画振興課」が建設事務所や保健福祉事務所など現地機関や地元市町村などとの連携、調整役を担う。
 振興局長には、自らの裁量で使える「地域振興推進費(仮称)」を10カ所合計で1億円程度配分。局長の裁量で他の現地機関の予算執行にも充てられる。知事は会見で「(局長は)各地域では私の代わり。同じような発想と視点で行動してほしい」と求めた。
 振興局設置に伴い、現在の上小上田市)、下伊那飯田市)、北安曇(大町市)の3地事所は、上田、南信州北アルプスにそれぞれ名称変更する。佐久や上伊那、北信など7地事所は現在と同じ地域名の地域振興局となる。
 県会はこの日、21日で任期満了を迎える県選挙管理委員(4人)に、元須坂市長の永井順裕氏、元小県郡長和町収入役の丸山昇一氏、元上伊那郡中川村長の北島靖生氏、元穂高町(現安曇野市)保健福祉課長の吉沢万千子氏を選んだ。任期は4年。
 県会はまた、来年1月16〜20日に「中国・上海市および周辺地域」を訪問する本年度の公費による海外調査について、環境産業観光委員会の小山仁志副委員長(新ながの・公明)と農政林務委員会の花岡賢一副委員長(信州・新風・みらい)を派遣すると決めた。

本記事では,長野県における組織再編の取組を紹介.
2016年9月15日付の本備忘録で記録した同県の同取組.本記事では,2016年12月9日の同県の11月定例会において,「知事の権限に属する事務を分掌」し「地域における県行政を総合的に推進し」「地域の振興を図るため」に「地域振興局を設置する」*1,「地域振興局の設置に関する条例案」が「原案可決」*2されたことを紹介.各地域振興局内での「総合性」*3の運営状況は,設置後,要観察.