総務省は4日、ふるさと納税の2016年度の寄付総額が前年度比1.7倍の2844億900万円になったと発表した。各自治体が返礼品を充実させていることもあり、4年連続で最多を更新。自治体別では宮崎県都城市の73億3300万円が最も多く、長野県伊那市(72億500万円)、静岡県焼津市(51億2100万円)が続いた。
 豪華な返礼品を見直す自治体は、同省が個別に働き掛けた寄付受け入れ額の多い約200自治体のうち、都城、伊那、焼津など9割の団体に達したという。
 高市早苗総務相は4日の閣議後の記者会見で、「各地方団体が足並みをそろえて通知に沿った対応をすることが、返礼品競争の是正には不可欠だ」と強調。残る1割の団体に対し、引き続き見直しを求めていく考えを示した。

本記事では,総務省におけるふるさと納税に関する現況調査の結果について紹介.
同調査によると,2016年度は「受入額」が「284,408,875」円,「受入件数」は「12,710,780」件となり,2016年6月16日付の本備忘録で記録した前年2015年度のそれぞれの金額及び件数からは「約1.7倍」,「約1.8倍」*1となる.
ふるさと納税の受入額及び受入件数が増加した主な理由」としては,「ふるさと納税を募集する際の取組」では,「返礼品の充実」が理由と考えている自治体が最も多く「1,021」自治体「57.1%」,次いで「ふるさと納税の普及,定着」(1,022自治体,57.0%),「収納環境の整備(クレジット納付,電子申請の受付等)」(747自治体,41.8%)),「HP等の広報の充実」*2(580自治体,32.4%)となる.
ふるさと納税を募集する際の使途」では「ふるさと納税を財源として実施する事業等」の「選択」の可否は「選択できる」自治体が「1,649」自治体「92.2%」と微増と,これらの内訳では「分野を選択できる」自治体が「1,587」自治体「88.8%」,「具体的な事業を選択できる」自治体が「200」自治体「11.2%」*3となる.そして,「礼品を送付している」自治体は「1,684」自治体,「94.2%」*4と,前年度からは66自治体が増加しており「「返礼品」も流行」*5している.今後の活用状況は,要観察.

*1:総務省HP(広報・報道報道資料一覧2017年7月ふるさと納税に関する現況調査結果の概要)「ふるさと納税に関する現況調査結果」(平成29年7月4日 自治税務局市町村税課)2頁

*2:前掲注1・総務省ふるさと納税に関する現況調査結果)5頁

*3:前掲注1・総務省ふるさと納税に関する現況調査結果)7頁

*4:前掲注1・総務省ふるさと納税に関する現況調査結果)12頁

*5:沼尾波子・池上岳彦・木村佳弘・高端正幸『地方財政を学ぶ』(有斐閣,2017年)118頁

地方財政を学ぶ (有斐閣ブックス)

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