あなたの提案がインターネット投票で支持を集めれば事業化を検討します−。東京都は29日から、来年度事業のアイデアを都民から募集すると発表した。予算枠は10億円で1件の上限は2億円。こうした提案の募集はパリ市が採用しているが、国内の都道府県では初めてという。
 提案は都民が対象で、1人につき1件。サークルなどグループでの応募もできるが、企業など法人はできない。原則として単年度の事業で、対象は子育て支援、高齢化対策、働き方改革、防災対策、空き家活用、環境対策−の生活に密着した6分野。現金給付や施設整備は対象にしない。
 人工知能(AI)など最先端技術を活用した施策や、若者や女性、障害者らが活躍できる視点での施策など、これまでにない発想を募りたいとしている。
 提案期間は11月7日まで。都が内容などを精査して各分野3事業程度に絞り込み、12月に都民のネット投票で各分野1事業に選定。来年1月の知事査定を経て正式に決まる。
 申し込み方法などの詳細は今後、都財務局のホームページで公表する。

本記事では、東京都における予算編成の取組を紹介。
同都では、「都政の喫緊の課題を解決するため」、「子育て支援」「高齢化対策」「働き方改革」「防災対策」「空き家活用」「環境対策」の6分野に関して、2017年「9月29日」から「同年11月7日」までの期間で、「都民」からの「事業提案の募集」*1を実施。「提案」は、同都が「各分野3事業程度を選定し」「内容の精査や事業案の構築」を行い、同年「12月頃には事業案を公表」、「都民」による「インターネット投票を実施」、その後、「各分野1事業を選定し」、同「結果も踏まえて」「知事が提案する」2018年度「予算案に反映」*2する予定。提案の条件としては、「都民1人(または1グループ)当たり」「1件まで」であること、「提案」「事業は、原則として単年度事業」であること、「現金給付や施設整備に該当する事業提案は不可」となること、そして、「提案の内容は、庁内検討の過程で変更を加えることがあ」ることが示されている。「1事業当たりの上限額は2億円」*3。「予算過程における住民参加の機会を設け」*4る同取組。提案される事業内容は、要観察。

*1:東京都HP(都政情報報道発表これまでの報道発表 報道発表/平成29(2017)年 9月)「都民の皆様からの事業提案を募集します」( 2017年9月15日、財政局)

*2:前掲注1・東京都(都民の皆様からの事業提案を募集します)

*3:東京都HP(都政情報知事について知事の部屋知事の記者会見知事記者会見/平成29小池知事「知事の部屋」 / 記者会見(平成29年9月))「小池知事「知事の部屋」/記者会見(平成29年9月15日)

*4:沼尾波子・池上岳彦・木村佳弘・高端正幸『地方財政を学ぶ』(有斐閣、2017年)81頁

地方財政を学ぶ (有斐閣ブックス)

地方財政を学ぶ (有斐閣ブックス)