人手不足を背景に学生有利の「売り手市場」が続く中、徳島県の職員採用試験への応募が低迷している。2017年度の「大卒程度・1次試験受験者数」は998人と10年ぶりに1000人を割った。県は優秀な人材を確保しようと、PR動画やパンフレットでの売り込みに躍起で、今月19日には初めて「保護者説明会」を開く。親に公務員の魅力を伝える“奥の手”を使い、応募につなげたい考えだ。【松山文音
 説明会は、就職活動を控える子どもを持つ保護者が対象。入庁5年未満の農業、総合土木、行政事務に就く職員が仕事内容や採用試験について説明する。その後、県職員の父親が、子どもの就職活動中に、どんな助言やサポートをしたかなどの経験談を話す。
 保護者説明会の開催は、県が内定者に行ったアンケートで、県庁受験のきっかけとして両親の意見が影響しているとの回答が多かったため。保護者に就職先に対する安心感を抱いてもらい、担当者は「保護者から公務員も就職先の選択肢の一つとして子どもに働き掛けてほしい」と意気込む。
 民間の採用増で 県職員の受験者数は、就職氷河期だった03年度の1558人をピークに減少。08年秋のリーマン・ショック東日本大震災などの景気低迷時には安定志向が強まり人気化したが、近年は再び減少傾向をたどっている。県の人事委員会の担当者は「民間企業の業績が回復し、採用が積極化するにつれて応募が減った」と話す。特に、電気や機械、建築、総合土木など技術系の人材の確保が県の課題。この2〜3年、行政事務職の競争率が約7〜8倍なのに対し、技術系は約1〜3倍と低い職種が目立つ。
 20年の東京五輪パラリンピックを控えた建設ラッシュで総合土木などの募集は厳しい状況が続きそうだ。四国大経営情報学部の本田利広学部長は「民間企業が早くに内定を出すと、すぐに就職先を決めてしまう学生がいる。また、技術系の資格を持つ学生は、公務員だと自分の技術や個性を発揮できないと嫌がる傾向も見られる」と分析する。
 近年の受験者減を懸念し、県は15年度、PR動画「戦う公務員」を制作。生き生きと働く職員の姿を映すと、無料動画の再生回数が2万8000回を超えた。16年度には動画との一体感を持たせるためパンフレットもリニューアルした。今年度の保護者説明会で受験者減に歯止めをかける。県担当者は「子どもが働く職場を知る意味でも、気軽に参加してほしい」と呼び掛けている。
 保護者説明会の応募は15日まで。メールやファクス、電話で申し込む。問い合わせは県人事委員会事務局(088・621・3211)。

本記事では、徳島県における職員採用の取組を紹介。
同県では、2017年「11月19日」に「今後就職活動を迎える」「子」「を持つ保護者」を対象に同「県職員の仕事内容」の「説明会」*1を開催する予定。同説明会では「県職員の仕事内容・採用試験制度」、「若手職員による就職経験談・業務説明」、「保護者による経験談」、そして「質疑応答・意見交換」*2が行われる予定。「80名」の定員に対して、同年「10月12日」から「11月15日」の「申込期間」として、本日現在「定員に達し」ている。本人とともに家族における地方公務員の職務内容への「ワクチン効果」*3ともなりそうな同取組。開催結果は、要確認。

*1:徳島県HP(徳島県職員採用案内記事)「「徳島県職員の仕事内容・保護者説明会」の開催について

*2:前掲注1・徳島県(「徳島県職員の仕事内容・保護者説明会」の開催について)

*3:安藤史江『コア・テキスト 人的資源管理』(新世社,2008年)49頁

コア・テキスト 人的資源管理 (ライブラリ経営学コア・テキスト)

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