中央区は、地域振興に取り組む区内の民間団体に、区外在住者が「資金援助」できる独自のふるさと納税制度を導入する。寄付金はこれまで区政全般のほか、「教育」「福祉」など寄付者があらかじめ指定した区政の特定分野に充ててきた。寄付者への「返礼品」は導入しないが、寄付金の活用の幅を団体支援に広げ、地域活性化につなげる狙い。 (神野光伸)
 区内には銀座や日本橋などの商業地があり、区外からの通勤・通学者、買い物客が多い昼間に人口が膨らむ。一方、区内で自主的にまちづくりやイベント開催に取り組む団体にとっては、活動資金の確保が課題。これらに着目した区は、団体の活動に賛同する区外在住者から一定の寄付が見込めると判断した。
 新たな制度では、寄付者が応援したい区内の団体を指定して寄付できるようになる。学識者などでつくる審査会で団体の活動内容などが認められれば、寄付額の七割を上限として交付する。交付が認められない場合は、区政に活用するという。
 交付の対象は、「地域特性を生かしたまちづくりに資する活動」や「文化、スポーツ振興を図る活動」「福祉の向上に資する活動」−などに取り組む団体が見込まれている。十二月一日から寄付金の受け付けを始め、審査会は来年四月に設置する。
 ふるさと納税は、応援したい自治体に寄付した金額に応じて居住地の税金が軽減される制度だが、自治体間で返礼品の競争が過熱。この影響を受けた中央区の税収の減収分は二〇一六年度に五億円に上り、一七年度は九億円に拡大する見込み。区の担当者は「税収減を抑えるだけでなく、地域振興に取り組む団体の活動資金として寄付金を役立てたい」と話している。

本記事では、中央区におけるふるさと納税に関する取組を紹介。
同区では、2017年「12月1日」から、「寄附金」を、「中央区の区政全般」、「活用してほしい分野」、そして「応援したい団体」の何れかを「指定」*1できる取組を開始。本記事では、三つめの指定対象となる「応援したい団体」への指定制度を紹介。「応援したい団体を指定した寄附」は、「まちの活性化を図り、魅力を発信する活動」「子どもの健全育成に資する活動」「福祉の向上に資する活動」「共生社会の推進を図る活動」「地域特性を生かしたまちづくりに資する活動」「歴史又は文化の保存・継承に資する活動」「健康の維持・増進を図る活動」「文化又はスポーツの振興を図る活動」、そして「その他、区長が認める活動」の何れかを「主目的とした団体を対象に、同区において「審査会でその団体を審査し寄附金を交付」*2することとなる。
2014年度、2015年度の「ふるさと納税」により「合計」で「約14億」の「減収額」となったとされる同区。活用分野、活用団体に対する「寄附」の「個人の意思」*3の結果は、要確認。

*1:中央区HP(暮らし・手続き税金中央区版ふるさと納税「ふるさと中央区応援寄附」の申し込みの受付を12月1日から開始します。)「中央区版ふるさと納税「ふるさと中央区応援寄附」のお願い

*2:前掲注1・中央区中央区ふるさと納税「ふるさと中央区応援寄附」のお願い)

*3:沼尾波子・池上岳彦・木村佳弘・高端正幸『地方財政を学ぶ』(有斐閣,2017年)118頁

地方財政を学ぶ (有斐閣ブックス)

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