京都府が来春の職員採用に向けて、工夫をこらしている。景気回復や人手不足などから売り手市場の就職活動が続く中、就職先としての府庁の魅力をアピールする狙い。地味な印象だった募集案内パンフレットのデザインを若手職員の発想で一新し、民間との競合が激しい技術職の年齢上限を引き上げるなどして、PRに力を入れている。
 従来のパンフレットは、主に観光名所の写真を表紙に使い、重要施策を説明するなど、役所ならではの「お堅い」印象そのものだった。今回は、府人事委員会事務局主事の橋本亜都さん(33)らがデザインを改め、重要文化財の府庁旧本館の意匠を生かして洗練された表紙に仕上げた。
 橋本さんは「学生向けの説明の場に行っても、机の前でマニュアル通りの仕事をしているように思われている。そんなことはないという思いを伝えたかった」という。3月からは、通信アプリ「LINE(ライン)」でも募集案内を配信している。
 技術職は官民とも人手不足を背景に確保が難しくなっており、2017年度は総合土木で追加試験を実施するなど対応に追われた。このため来春の採用から年齢要件を5歳引き上げて35歳までとし、1次試験では19年ぶりに東京会場を設ける。総合土木はあらかじめ秋季試験も設定した。
 また、従来、大卒程度を「上級」、高卒程度を「初級」としていた試験名称を61年ぶりに「一類」「二類」に改める。
 募集案内は府庁や各広域振興局で配布中。一類の採用予定は行政職75人、技術職55人。問い合わせは府人事委事務局075(414)5648。

本記事では、京都府における職員採用の取組を紹介。
京都府職員募集案内2018』*1のデザインを刷新するとともに、「職員(上級)採用試験」の区分を、「職員(一類)採用試験」、「職員(初級)採用試験」を「職員(二類)採用試験」に「名称変更」*2した同府。同募集案内では「シティ・プロモーション」*3にも取り組む同府。応募状況は、要観察。

*1:京都府HP(府政情報府政運営・行財政改革採用情報・試験案内)「職員募集パンフレット

*2:京都府HP(府政情報府政運営・行財政改革)「採用情報・試験案内

*3:大杉覚「人手不足時代に「選ばれる」自治体の条件」『ガバナンス』No.204、2018年4月、16頁

月刊ガバナンス 2018年 04 月号 [雑誌]

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