東京都議会の第2回定例会が12日、開会した。小池百合子知事は所信表明で、老朽化したマンションに修繕費の積み立て状況などの報告を義務付ける独自の条例制定を目指す考えを表明。「幅広い観点から、安全かつ快適な街づくりを推し進めたい」と述べた。都によると、同種の都道府県条例は全国で例がない。【芳賀竜也】
 都内にある分譲マンション約5万3000棟のうち、管理組合の法的定義がない1983年以前に建てられた約4分の1の物件が対象。管理組合の有無や修繕積立金の状況などについての報告を義務化する規定を盛り込む方針だ。

工業用水道廃止の方針
 また、海抜ゼロメートル地帯などの地盤沈下を防ぐ目的で使われてきた都の工業用水道について、小池知事は「長年の懸案とされてきたが、廃止に向けた動きを進める」と明言した。供用から50年以上が経過し、供給量が減少した上に、老朽化による更新費用も多額になるため、有識者委員会から「廃止」の提言を受けていた。
 供用開始当時は、23区東部の町工場などが地下水を業務用にくみ上げるケースが多かった。

都政改革に意見専門家ら新組織
 さらに小池知事は、都政改革の新組織として「都政改革アドバイザリー会議」を設置する考えを表明した。働き方改革などに実績がある経営者や、行政改革、法律など各分野の専門家が委員を務める。小池知事は「全般的な課題から個別の取り組みまで幅広く意見をいただきながら、手を緩めることなく都政改革にまい進する決意だ」と述べた。

 第2回定例会は27日まで。条例案17件を含む計47議案を審議する。

本記事では、東京都議会の第2回定例会における「知事所信表明」*1を紹介。
2018年3月12日付の本備忘録では、同都の顧問制度の廃止を記録。同年6月12日に開催された第2回定例会における知事所信表明では、「「2020改革プラン」の策定後、「各副知事をトップ」に「各局の改革の進捗管理を行う推進部会を設置するなど」「職員」の「自律的な取組を不断に進める体制を整備した」現状とともに、「推進部会や都政改革本部において改革の状況を検証し、各局がさらなる取組を進めるPDCAサイクル」を「着実に運用する」ことを目的に、「幅広い観点から意見や助言を取り入れることも効果的」との考えから「都政改革アドバイザリー会議」を「新たに設置」*2する方針が表明。同会議の構成は、「働き方改革等に実績のある経営者や」「行政改革、法律等の各分野の専門家」*3とされる模様。また、同会議は「原則公開で行い、会議の資料及び議事録についても原則公開」*4となる。同会議を通じた「アイディアを精錬」*5様子は、要観察。

*1:東京都HP(都政情報知事について知事の部屋施政方針) 「平成30年第二回都議会定例会 知事所信表明

*2:前掲注1・東京都(平成30年第二回都議会定例会 知事所信表明)

*3:前掲注1・東京都(平成30年第二回都議会定例会 知事所信表明)

*4:東京都HP(都政情報報道発表これまでの報道発表 報道発表/平成30(2018)年 6月)「「都政改革アドバイザリー会議」を設置」(2018年06月12日  総務局)

*5:金井利之『行政学講義 日本官僚制を解剖する』(筑摩書房、2018年)251頁

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