世田谷区、「父母欄」見直しへ 保育所入園申込書類など(東京新聞2019年3月7日)

 世田谷区は六日の区議会予算特別委員会で、保育所の入園申込書類などにあらかじめ記載された「父」「母」の表記を「保護者」などに改める方針を示した。幼稚園や小中学校の書類も含めた全庁的な書面の点検、見直しを行う。同性カップルなど、子どもを育てる家族の多様化を反映した改善で、区議への答弁で明らかにした。

 同区は、二〇一五年に同性カップルを公的に承認するパートナーシップ宣誓制度を施行。この日の答弁では、同性カップルに限らず祖父母や叔父、叔母などに育てられている子どももいる実態を踏まえ、「父母のみを想定した様式は課題がある」として、「保護者の実態に応じて書ける様式に改める」と表明した。

 幼稚園や小中学校の書類はすでに「保護者」に統一されているが、続き柄を書く欄に「父・母・その他」、性別の欄には「男・女」と印刷されたものがあり、区側は見直すという。

 区内で子育てする女性同士のカップルは毎回、「父欄」の字を二重線で消し、父親の不存在に○を付けて対応しているという。質問した区議は「父や母という呼び方をやめましょうという言葉狩りではなく、保護者といえば父母という決めつけは実態にそぐわず、無用な疎外感を生む」と配慮を求めた。 (奥野斐)

 本記事では,世田谷区における申請手続きの取組方針を紹介。
保育所等入園(転園)申込書」では「父・母」,「父方」「母方」*1等の記載が設けられてる同区。本記事によると,「庁的な書面の点検」「見直しを行」い,「保護者」「などに改める方針」を採用する模様。「多様な人的結合」*2に対する同取組。対象となる文書は,要確認。

*1:世田谷区HP(くらしのガイド : 子ども・教育 :  保育 :  保育園の申込み等について : 入園(転園)の申込み (郵送・ファクシミリ不可))「保育所等入園(転園)申込書

*2:金井利之『行政学講義 日本官僚制を解剖する』(筑摩書房,2018年)118頁

行政学講義 (ちくま新書)

行政学講義 (ちくま新書)