海洋ごみ 一網打尽 富山市と日本財団協定 (中日新聞2019年3月27日)
川に設置、流出阻止

 市は2019年度から日本財団(東京都)と共同事業を始める。河川を通じて富山湾に流出するごみを支流や用水路に設置した網で取り除くことを目指す。市は27日、財団と海洋ごみ対策に関する連携協力協定を全国で初めて締結した。(山中正義)

  市が国の「環境未来都市」などに選ばれ、環境や海洋問題に取り組んできた実績が評価された。

 富山県内の海岸では、ほぼ全域で海洋ごみが確認されている。環境省の調査では、県内の漂着ごみの八割が県内で排出されていることが分かっており、河川から海に流れ出すごみの抑制が鍵となっている。

 そこで、市と財団は連携して「調査・分析」「教育・啓発」「行動・実施」を柱とした事業に乗り出す。具体的には、市内の神通川常願寺川の支流や用水路で、ペットボトルやレジ袋などのごみの発生状況を調べる。その結果を基に新年度内に数カ所の適地を選んで、「網場(あば)」と呼ばれる網の仕掛けを設置したい考え。

 啓発では、排水溝の入り口に海洋ごみ削減を促すステッカーを貼る他、子ども向けの啓発教材を作る。行動に向けては、市民が一斉に海岸や河川でごみ拾いをする機会を設ける。

 市役所で協定締結の調印式があり、森雅志市長と日本財団の海野(うんの)光行常務理事が協定書を交わした。森市長は「(網場による)成果が上がれば、全国的に水平展開できる取り組みになる。共同事業を通して海洋ごみ対策を一層推進する」と意欲を語った。

 海野常務理事は「海洋ごみを削減するまちぐるみの取り組みを創出して、『富山市モデル』として全国、世界に発信したい」と期待を込めた。

 日本財団は今後、富山市を含め全国八地域で網場の設置に向けた調査を実施する方針。

本記事では,富山市における海洋ごみへの取組を紹介。
2011年12月に「環境未来都市」と「選定」*1された同市。2017年4月からは『第 2 次富山市環境未来都市計画』を策定,「環境未来都市」の「構想を実現するための方針を」「総合的・体系的」*2整理している。
本記事によると,2019年3月27日に同財団との間で,「海洋ごみ対策に関する連携協力協定」が締結された模様。「海のゴミの8割以上が,プラスチックをはじめとして陸上から流れ出たもの」*3と解されるなか,同協定に基づく取組状況は,要観察。