浜松市3区案「反対」 市長と議会ねじれ、行政運営厳しく(静岡新聞2019年4月8日)
 浜松市の行政区再編の賛否を問う住民投票は8日未明、開票結果が確定、現行7区を3区にする市の再編案は反対19万351票、賛成13万2249票となり反対が過半数を大きく上回った。市議選でも、再編に慎重な自民党系勢力が過半数を占めた。区再編推進を公約の柱に掲げ4選を果たした鈴木康友氏(61)。だが、住民投票、市議選の結果と自らの選挙結果との間に事実上のねじれが生じ、極めて厳しい行政運営が予想される。
 3区案に対する反対票は7区全てで賛成票を上回った。鈴木氏は同日午前の記者会見で「大きな改革を進めることは大変なことだが、区再編を目指す方向性は一貫している」と強調。引き続き再編実現を進める構えだ。
 住民投票は、現行7区のうち浜北、天竜区を残し、他5区を合区する「3区案」での再編を2021年1月1日までに行うことの賛否を問い、反対した人だけが2問目に進み、同日までに他の区割りを含めて再編を行うことの賛否を答えた。
 設問が複雑なため、誤記入などによる無効票が3万7656票と投票総数の1割を超えた。さらに、3区案賛成と「3区案に反対だが、区再編に賛成」の票を合わせると、16万3971票で、区再編自体に反対する15万8629票をわずかに上回った。区再編の反対派も、推進派のいずれも、投票数を都合よく解釈できる結果となった。
 区再編を巡り、改選前の市議会は3年半にわたり議論を重ねてきたが、再編に慎重を唱える自民党会派などと、推進派の会派の意見集約には至らなかった。鈴木氏は昨年10月、再編の早期実現を求める市自治会連合会の要請を受け、自民会派に説得を試みたが不調に終わり、住民投票に踏み切った。
 鈴木氏は「再編自体に賛成の数が現状維持より多かった。これを進めなければ賛成した人を裏切ることになる」と述べた。今後の対応については「まだ白紙。市の担当職員と練り直したい」と語った。
本記事では,浜松市における住民投票の結果を紹介。
2019年3月26日付の本備忘録で記録した,同市の住民投票の取組。2019年4月7日に「住民投票」が行われ,「開票要件」となる「投票率*1は,「55.61」%となり「成立」*2。投票結果は,3区案への賛成は「132,249」,「反対」は「190,351」*3となっている。同結果を踏まえた,今後の検討状況は,要観察。

*1:坂井豊貴『多数決を疑う 社会的選択理論とは何か 』(岩波書店,2015年)153頁

*2:浜松市HP(市政情報 : 選挙 :過去の選挙結果 :平成31年に行われた選挙等の結果)「住民投票

*3:浜松市HP(市政情報 : 選挙 :過去の選挙結果 :平成31年に行われた選挙等の結果)「開票速報