難局に備え、「大物」を特別秘書起用 都知事が発表 (日本経済新聞2019年4月26日)
 東京都の小池百合子知事は26日の記者会見で、知事を補佐する特別秘書に元副知事の村山寛司氏(68)を充てる人事を正式発表した。都庁では財務局長など主要ポストを歴任した実力者として知られる。2020年の東京五輪パラリンピックや長期計画の策定などの難局を乗り越えるため布陣を整えた。
 

「長年、都庁の様々な部署でトップを務めるなど、経験が深い」。小池知事は村山氏についてこう指摘し、特別秘書としての活躍に「大変期待している」と語った。

村山氏は環境局長や財務局長を経て、10年に石原慎太郎知事の下で副知事に就任した。退任後は東京地下鉄の副社長を務めるなど、交通・都市政策にも明るいとされる。現在は全国信用保証協会連合会の会長を務めている。5月中の就任に向け調整している。

「現役時代は都庁でも大物職員として一目置かれていた」(都庁関係者)という村山氏だが、それを支えていたのが都議会自民党との関係の強さだ。内田茂元都議や高島直樹都議ら、影響力の強い幹部と太いパイプがあるとされた。

都議会自民党は小池知事への反発を続けており、19年2~3月の定例会では本会議や予算特別委員会が膠着する場面もあった。村山氏の起用は「自民との関係改善を図ろうとの考えがある」との見立てもある。

自民との関係改善は今後の都政運営には欠かせない。特に喫緊の課題として都庁内で挙がっているのが、長期計画の策定作業だ。

都は4月から、30年までの政策目標や実施項目を盛り込む長期計画の策定に向けた準備を始めた。今夏までに論点を整理する。小池知事は長期計画について「職員の力を全庁挙げて、ということがますます必要になる」と述べ、「村山特別秘書」の求心力に期待を寄せる。

計画策定では都議会各会派との調整が必須だ。知事の考えを伝えたり、会派の要望を取りまとめたりするなどの作業が必要になる。小池知事は計画策定を担う部長に、市場移転で実績を上げた職員を配置しており、村山氏就任で体制をさらに強固にする狙いがあるとみられる。

都議会との調整が期待される一方、都庁職員との関係がどうなるかも重要だ。大物OBの特別秘書への就任に、都庁内では「副知事の上に『大副知事』が来るようなものだ」と身構える向きもある。一方で知事周辺にOBが入ることで「職員の政策への思いが知事に伝わりやすくなるのではないか」と期待する声もある。

本記事では,東京都における特別秘書の取組を紹介.
同都では, 「現役時代」に「環境や福祉保健,財務など」「都政全般に幅広い」「経験を持たれた上で副知事を務め」た同氏を2019年の「5月の中旬,末ぐらい」に「特別秘書」へと「任命」*1することを紹介.同知事記者会見では,同知事が「バックキャスティングで,東京こうあるべしと考え」ることを踏まえて,「これまでの都政を知り抜いた方」である同氏の同職の就任を通じて,「どのようにして,実際に都政を動かしていくか,その両方が重なることによって,良い効果が出せる」*2ことへの期待が示されている.
「多元的なマネジメント」*3を通じた各取組の結果は,要確認。