児童虐待防止、人事交流や施設活用 都や都内自治体 (日本経済新聞2019年5月24日) 

 東京都は24日、児童の虐待防止や相談体制の強化に向け、都の児童相談所(児相)と都内区市町村の担当者による検討会の初会合を開いた。児相と各区市町村の支援部署との提携を進めるため、人事交流や施設の活用などについて2020年度にモデル事業を実施する。検討会では、児童相談行政を巡る都と区市町村の役割分担のあり方も議論のテーマとする。

 18年に目黒区内で5歳の女児の虐待死事件が発生し、児相と区市町村間の連携不足が問題視された。17年度の都児相の虐待対応件数は約1万3700件で、この10年間で4倍以上に伸びている。案件の急増に伴い、都も区市町村も担当職員の確保に苦労している。都幹部は「自治体の垣根を越えてオール東京で取り組む必要がある」と危機感を強める。

 検討会では、都児相と区市町村がそれぞれ培ってきたノウハウや情報、現場感覚の共有を進める。その上で、担当者の人事交流の強化▽合同研修など人材育成での連携▽一時保護の際の区市町村が持つ施設の活用――などの施策を検討する。

 都内の場合、児相は都が所管してきた。加えて、児童福祉法の改正に伴い東京23区も児相を開設できるようになった。世田谷、江戸川、荒川の3区が20年度に区独自の児相を開設する予定で、都児相と区児相の役割分担の方向性も議論する。

 一方で、練馬区のように区児相は「二重行政」として、児童や保護者の支援拠点「子ども家庭支援センター」の機能強化に重点を置く自治体もある。検討会では、同センターの運営面の改善も議題にする見通しだ。

 検討会はより具体的な議論のため部会やワーキンググループも随時開催し、22年度まで続ける。検討会について、小池百合子知事は24日の記者会見で「児相とセンターそれぞれの強み、特徴があり、連携を強化していく」と述べた。都は4月、保護者による子どもへの体罰禁止を柱とした虐待防止条例を施行した。

本記事では,東京都における地方財政に関する検討状況を紹介。

同都では,従前より「児童相談体制強化に向けた」*1を実施してきたなか,本記事によると,児童の虐待防止や相談体制の強化に向け」た,同都の「児童相談所」と「区市町村の担当者」による「検討会」を開催された模様.「会議体方式」を通じた,「情報共有の場」として活用とともに他の「連携方式」*2による連携の取組状況は,要観察。

 

*1:東京都HP(都政情報都政組織情報東京都の組織・各局のページ福祉保健局:子供家庭  子供家庭施策児童相談体制強化に向けた取組(平成31年1月25日のページです。

*2:鈴木潔「児童虐待防止 多様な連携方式の創出」伊藤正次編著『多機関連携の行政学 事例研究によるアプローチ』(有斐閣,2019年)36.37頁

多機関連携の行政学 -- 事例研究によるアプローチ

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