「過疎」の代替語検討へ、総務省 マイナス印象と(共同通信2019年7月2日) 

 過疎地域の支援策を検討する総務省有識者懇談会は2日の会合で、離島や中山間地など人口減少が進む地域を指す「過疎」に関し、代わりとなる用語を検討する方針で一致した。近年、豊かな自然など都市とは異なる特性に魅力を感じる人が増加傾向にあり、マイナスのイメージがある言葉は実態に合わないと判断した。

 2020年3月に支援策の継続を求める提言をまとめ、検討結果も盛り込む見通し。過疎地の支援を定めた議員立法の過疎法が21年3月末で期限切れを迎えるため与野党の改正論議に反映させたい考えだ。

 総務省資料によると、過疎という言葉は昭和40年代に一般的に使われるようになった。

本記事では,総務省における過疎対策の取組を紹介.

「従来一定の規模で生産活動と社会生活が営まれていた地域において,人口の流出と自然増加率のマイナスへの転化により,その水準を維持していくことが困難となる現象」*1と解された過疎.1970年以来,「4次にわたり議員立法」により「制定された過疎対策立法」に基づき「過疎地域市町村を中心に」「関係都道府県,国の 3 者が一体となって」*2取り組まれてきた,同地域への各種対策.本記事によると,同省の「有識者懇談会」で「近年、豊かな自然など都市とは異なる特性に魅力を感じる人が増加傾向にあり」「マイナスのイメージがある」ことから「過疎」の「代わりとなる用語を検討する方針」が検討されていることを紹介.

「「向都離村から「向村離都」」*3に伴い,「水準を維持」*4されている状況と呼称変更後の対策内容は,要観察.

*1:西尾勝「過疎と過密の政治行政」『年報政治学1977年度 55年体制の形成と崩壊―続・現代日本の政治過程 』28 巻,1979年,232頁

*2:総務省HP(政策 :地方行財政: 地域力の創造・地方の再生 :過疎対策)過疎対策の沿革

*3:大森彌「人口減少時代に立ち向かう」大森彌,武藤博己,後藤春彦,大杉覚,沼尾波子,図司直也『人口減少時代の地域づくり読本』(公職研,2015年)19頁

人口減少時代の地域づくり読本

人口減少時代の地域づくり読本

 

*4:前掲注1・西尾勝1979年,232頁